金沢市は、今年度から2カ年継続で推し進めていく野町1丁目地内「旧森紙店改修工事」に関して、資材単価及び労務単価の上昇などに伴い、9月補正予算案で工事費等を増額した。同改修工事に係る建築、設備(ともに制約付き一般競争入札案件)は第3四半期中の入札公告が見込まれる。
当初予算には建築・設備工事費や、工事監理業務委託料、建築基準法適用除外支援業務委託料などに充てるため、旧森紙店保存活用事業費に現計で5250万円を計上、債務負担行為で1億2400万円を盛り込んでいた。今補正予算では債務負担8800万円が追加設定された。
市指定保存建造物「旧森紙店」は江戸時代末期に建てられ、市街地において唯一、「石置き板葺き屋根」が残る貴重な建造物。主屋はW造2階建て石置き板葺き屋根、土蔵は土蔵造2階建て瓦屋根で、総延べ床面積330・86平方メートル。文化財的価値の保存に加え、文化芸術的な活用に向けた改修整備が施され、工期は420日となっている。
建物内には、伝統的空間を体感(金澤町家と伝統技法の体感など)できるよう、2階に石置き板葺き屋根の見学スペースや木羽板の展示空間を設けるほか、主座敷などの空間は伝統技法で改修を施し、文化芸術・地域活動の場(展示やワークショップなど)として活用する。1階のミセ(旧店舗)、土間の一角に小上がりを設け、誰でも気軽に立ち寄れる情報発信・休憩スペースとなる。
開館時期は2028年4月を予定している。
実施設計は金沢計画研究所(建築)、中島設備事務所(設備)が担当。