トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2009/05/13

【東京】東京都港湾審議会 大型船舶対応へ大水深岸壁を整備 臨港道路南北線は海底トンネルで検討

 東京都は、東京港港湾計画を一部変更し、大型船舶に対応した大水深岸壁や「臨港道路南北線」を整備する方針を決めた。12日に開いた東京都港湾審議会(会長・橋宏首都大学東京理事長)に変更案を諮問、即日了承された。変更計画では、パナマ運河の拡張を控えて急速に進む船舶の大型化には、外貿コンテナ埠頭4カ所の増深で対応。このうち中央防波堤外側など2カ所では国際標準である最大16・5bの大水深岸壁も整備する。また、10号地その2埋立地と中央防波堤内側を結ぶ臨海道路南北線の整備を計画に位置付け、臨海部の交通渋滞解消を図るとしている。
 東京港は、コンテナ船の大型化に対応しきれず、大水深岸壁が圧倒的に不足する。2015年にパナマ運河の拡張工事が終わると、接着する岸壁水深が16・5b必要な「ポスト・パナマックス船」の就航も増えるため、基幹航路としての東京港の地位低下が心配される。
 一方で、中防外側でコンテナ埠頭の整備が進み、第二航路海底トンネルに交通が集中して渋滞問題が深刻化している。昨年7月に都港湾審議会では、東京港が抱えるこれらの課題を問題視して「基幹航路の維持・拡大と企業の物流戦略への対応」を図るよう都に求めていた。
 この答申に応える形で、都は12日の審議会に港湾計画の一部変更案を提示。コンテナ埠頭の充実・強化を図るため、いずれも水深15b程度で既設・計画されている埠頭を16〜16・5bまで増深する変更計画を示した。
 具体的には、各埠頭の計画を▽大井(延長2354b、水深15〜16b)▽青海(延長700b、水深15〜16b)▽中防外側(延長400b、水深16〜16・5b)▽新海面処分場(延長420b、水深16〜16・5b)−へと変更する。
 特に中防外側と新海面処分場には、船長366b、コンテナ1万2000個の収容が可能なポスト・パナマックス船も接岸できる最大16・5bの岸壁を整備する計画に変更する。
 コンテナ埠頭の開発に合わせ、東京港臨海部を南北に結ぶ臨港道路南北線の整備も港湾計画に位置付ける。都はルート・道路構造の異なる4案を検討してきたが、今回の審議会に10号地その2埋立地(江東区有明4丁目)と中央防内側を結ぶルート(延長約2・5`)を提示。今後、道路構造を海底トンネルとすることを軸に計画の詳細を検討するとしている。
 

提供:建通新聞社 首都圏本部東京支社