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建通新聞社(中部)
2009/07/17

【三重】三重県は新道路整備戦略を見直しの具体案を検討 

 三重県県土整備部は、「新道路整備戦略」の見直しに着手した。現行の同戦略がスタートして5年が経過し、重点整備個所の整備が順調に進んできたことから、地域のニーズに応じて新たな重点整備個所を抽出するとともに、新たな地域連携道路の必要性、近畿自動車道紀勢線などへのアクセス路線といった課題に対応する。今後、県会議員や首長、有識者、県民らの意見を聞きながら見直しの具体案を検討する。2009年度内の策定が目標。
 県は、県管理道路の整備水準の向上と、事業実施にあたっての説明責任の明確化、事業実施の効率性・透明性の向上を目的に、1998年度に「道路整備10カ年戦略」を策定。その後、県民の道路整備に対するニーズの多様化、市町村合併後の新たな地域動向、厳しさが増す財政状況などに対応するため見直しを行い、03〜17年度を期間とする「新道路整備戦略」を策定した。
 整備方針に県内道路ネットワークの形成、県民生活の安全性と利便性向上、地域の活性化支援を掲げ、整備目標として▽高速道路インターアクセス30分到達率(03年度78%を17年度97%に)▽広域道路ネットワーク達成率(86%を94%に)▽圏域中心都市と周辺市町連絡道路の整備率(17年度にすべての生活創造圏で概ね達成)▽緊急輸送道路の整備率(74%を87%に)▽道路改良率(県管理道路68%を74%に、このうち重点整備個所路線70%を78%に)―の5項目を設定した。事業費は4050億円。
 この目標を達成するため、整備の必要性とともに地元の合意や協力度、整備効果などを評価して重点整備個所を選定。03年度から5年間を重点期間とし、供用できる個所へ集中的に投資した。重点整備個所は243個所延長376`で、内訳は、5年間で完成が82カ所延長101`、事業継続が62カ所延長99`、期間内着手が99カ所延長176`とした。
 08年度末までの進捗状況は、1436億円を投資し、重点整備個所のうち80カ所を完成供用、47カ所に着手した。道路改良率は72%。
 07年度で重点期間が終了することから、06年度に見直し作業に着手。道路事業予算が減少する中で、今後の方針を検討するため、07年度に県会議員、首長、有識者らからの意見聴取、県民へのアンケート調査、地域懇談会などを実施した。ところが、国の「道路における新たな中期計画」の策定、道路特定財源の一般財源化問題から、今後の道路予算規模が見通せない状況になったため、07年秋から見直し作業を中止していた。
 道路予算については、国の09年度予算に地域活力基盤創造交付金が創設されるなど一定の方向が示された。このため、見直し作業を再開することとし、今後、県民ニーズを的確に反映するために評価項目・評価点を再整理するとともに、各界の意見をあらためて聞き、重点整備個所の抽出方針を検討する。
 抽出方針が固まった段階で県民からの意見を募集。これを踏まえた上で、重点整備個所を選定し、見直し案をとりまとめる。
 新たな戦略の計画期間をどう設定するかは、地域の意見を聞いた上で判断する考え。内容は社会経済情勢の変化や県民ニーズに基づいて見直すことになるが、近畿自動車道紀勢線や国道42号熊野尾鷲道路など新たに具体化してきた幹線道路へのアクセス路線、市町合併後の地域の新たな拠点を連絡する道路の整備など、現行戦略の策定以降に必要となった路線を盛り込むことが検討課題となりそう。