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建通新聞社(静岡)
2009/08/17

【静岡】県=一般・災害など1447fの森林を再生

 静岡県は、もりづくり県民税を財源に充て荒廃森林(人工林・里山林)を再生する「森の力再生事業」で、2009年度は9億9800万円を投入し、1447fを整備する計画だ。一般森林の再生整備(1407f)に加え、過去の台風などで被災した森林24fの復旧事業を進める。権利者の理解が深まった竹林や広葉樹の再生は、16fの整備を見込む。建設業者自らが森林所有者との間で整備に関する契約を結び、県に整備費の補助申請を行う仕組みで、基本的に整備費は100%補助される。事業の担い手となる地元建設業者や造園業者にとって、受注には行動力や折衝力が求められる。
 整備は、広葉樹の自然発生を促す強度間伐のほか、森林の樹種転換のための抜き伐り、皆伐が中心だが、作業路の開設・改良や木製構造物の整備など土木工事も含む。09年度は、事業がスタートした06年度比で約1・6倍、08年度比で約80f増に相当する1447fの整備を見込む。
 ここ数年、「荒廃森林の再生整備」という建設業者の新たな事業分野・地域への参入により、山村地域に新たな雇用が創出。森林組合の不在地域が抱えていた放置荒廃林問題の解消につながっている。
 09年度の事業費は9億9800万円を計上。8億7000万円を投じて一般森林の再生事業を進めるほか、早期の機能回復が求められる森林の再生には7500万円を充てる。権利者の理解が浸透しつつある広葉樹林については、5300万円で08年度実績と同面積の16fを整備する計画だ。
 再生事業は、整備者となり得る地元建設業者、森林組合、NPOなどが山林所有者と交渉し、整備委託契約を結んだ上で、県(各農林事務所)に対し補助金を交付申請する。農林事務所は申請書や整備計画書などを審査し、補助金交付を決定。所有者・整備者との間で三者協定を結び、整備着手する。整備者の要件は、森林整備工事入札参加資格者名簿に登載済みの団体や、専門技術者を有する建設業者など。
 申請は随時受け付けているが、事業は当該年度内の整備完了が原則。工期などを考慮した場合、申請期限は年内となる。整備対象は、市町の森林整備計画などに記載されている森林で、各農林事務所でも整備対象森林の地番や図面は閲覧可能。
 県は全体計画として、6年後の15年度までに総事業費84億円を投じ、1万2000fの再生整備を計画している。事業がスタートした06年度から08年度までに、全体計画比で28%に当たる3411fを整備する。

建通新聞社 静岡支社