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建通新聞社(静岡)
2009/08/21

【静岡】県=布沢川本体実施設計 建設技術研究所に

 静岡県は、興津川水系布沢川(静岡市清水区吉原)に建設を計画している生活貯水池「布沢川ダム」の本体実施設計を建設技術研究所に委託した。委託期限は2010年3月15日まで。現在は工事用道路の整備を進めており、順調なら12年度にも本体着工する見通し。16年度中の完成を目指しており、供用開始は17年度を予定している。
 ダムは、洪水調節・河川維持用水・上水道用水を目的とする多目的ダムとして建設する。形式は重力式コンクリートダムで、規模は堤高59・5b、堤頂長155b、堤体積10万7000立方b。総貯水量81万6000立方bのうち、有効貯水量は66万立方bを予定。1993年度に県が事業着手している。
 今回委託した本体実施設計では、基礎掘削線や断面形状、ダムの平面位置を設定する堤体工の規模を固めるほか、配置設計として洪水吐工、取水設備、転流工などの詳細を検討する。加えて、建設予定地の地形や地質、河道状況(上下流締切予定地、河川工作物)などを把握する現地調査を行う。
 09年度内にダム本体の整備計画を取りまとめた上で、12年度にもダム本体工事の仮設・水替工事などに着手する。続く13年度に掘削工事、14〜15年度にコンクリート打設工事を進める。16年度にはダム管理設備を整備し、ダム本体の完成を見込む。供用開始は17年度を想定している。
 一方、道路工事については、現在進めている工事用道路の整備を12年度までに完了させる。並行して、10年度からは付替道路工に着工し、15年度までに整備する予定。
 布沢川は静岡市清水区を流れる興津川の支流で、河口から約1万5000bの山間に位置する流路延長約6000bの二級河川。これまで出水のたびに大きな被害が発生し、抜本的な治水対策が求められている。清水区の上水道は興津川の表流水を主な水源としており、降雨量が少ない冬季には必要な水量の確保が困難になる状況も生じている。
 ダムの整備により、貯水容量47万立方bを利用し、洪水を調整して布沢・土地区を浸水被害から守る。また、貯水容量11万立方bを水道水として確保し、異常渇水時に安定的な給水を図る。耕地などへの水源として水不足にも対応し、魚類などの生息・生育環境を保持することを目的に蓄えた水を放流する。

建通新聞社 静岡支社