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建通新聞社四国
2009/09/11

【愛媛】投資的経費、累計で前年度比18%増 県が9月補正案

 愛媛県は9月補正予算案を発表。雇用や安全・安心確保の対策をはじめ、国の補正予算に対応した切れ目ない経済危機対策を講じるなどした結果、一般会計の補正額は前年度9月補正(101億8728万円)の5倍近い500億5483万円にのぼり、9月補正予算としては1992年の619億円に次ぐ過去2番目の規模になる。累計額は6581億1716万円で前年度同期比10・3%増、そのうち投資的経費は1033億5761万円で同18・0%増。
 一般会計以外の補正額は、特別会計が21億2822万円、企業会計が220億7695万円。3会計の合計では補正額742億6000万円、累計8607億5025万円(前年同期比6・3%増)となる。
 これらの財源となる国の補正予算をめぐって民主党は、基金の未執行分の凍結など減額の方針を打ち出している。これについて加戸守行知事は「地方にとっての影響は計り知れない」としたうえで、「県としては関係省庁とも連携しながら、県民生活にとってかけがえのない各種基金事業を着実に実施できるよう取り組んでいきたい」と話している。
 補正案の建築事業予算を見ると、「県立学校校舎等整備事業」では26億3246万円を計上し、今治工業高校と南宇和高校の普通・特別教棟改築設計や、八幡浜工業高校と東予高校の本館・特別教棟改築工事、県立9校9施設の耐震補強工事などを予定。とべ動物園のペンギン舎水処理施設やライオン放飼場、便益施設の整備に向けては、2億1246万円を盛り込んだ。
 「医療施設耐震化臨時特例基金」の積立金としては26億1000万円を盛り込み、これから2010年度にかけて災害拠点病院や救命救急センター、2次救急医療機関の耐震化整備を行う方針。県立病院の施設整備事業でも新居浜病院本館・別館の大規模改修費2億7759万円や、周産期医療の強化に向けた今治病院と中央病院の病棟改修・医療機器整備費2億9755万円を確保する。
 介護施設や地域介護拠点などの整備、スプリンクラー設置などを進める「介護基盤緊急整備等事業」では、これから11年度にかけての事業実施に向けて基金へ48億7280万円を積み立て。09年度にはそのうち8億9514万円を活用し、小規模特別養護老人ホーム78床と認知症高齢者グループホーム11カ所の整備や、老人ホーム4カ所へのスプリンクラー設置などを行う。
 社会福祉施設の耐震化やスプリンクラー設置などを12年度にかけて進めるために設置する「社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金」にも20億7385万円を積み立て。09年度にはそのうち1億1203万円を活用し、スプリンクラーの設置を8カ所で行う。
 一方、土木事業予算としては、防災安全対策で生活道路改良整備事業費(37カ所)9億4520万円、落石防止対策事業費(23カ所)5億3400万円、県単河川局部改良費(21カ所)4億2700万円などを計上。
 産業振興に向けては、間伐や路網整備、製材・バイオマス施設整備などを11年度にかけて進める「森林そ生緊急対策事業」で基金へ6億0199万円を積み増しするとともに、09年度に同基金の10億9100万円を活用する。