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建通新聞社(東京)
2009/09/29

【東京】東京都 特別重点調査 10月5日公表分から適用 「一般管理費等」入札価格5%以下は失格に

 東京都は、極端な低価格入札への適用を検討してきた特別重点調査について、来週10月5日の公表分から導入することを決めた。国土交通省の直轄工事と同様に、低入札価格調査制度の対象となった案件のうち、積算内訳書の直接工事費や共通仮設費など各費目のいずれかが予定価格の一定割合を下回った場合に導入。履行能力の確認や経営状態に関する27項目を設け、各項目について数値的根拠を含む詳細な資料提出を求める。特に「一般管理費等」が入札価格の5%を下回る場合に落札を認めないとする実質的な失格基準を取り入れるのが特徴だ。
 特別重点調査は、低入札価格調査制度の対象になった入札のうち、積算内訳書の内訳で▽直接工事費(予定価格の75%)▽共通仮設費(同70%)▽現場管理費(同60%)▽一般管理費等(同30%)−の基準を一つでも下回った場合に適用する。
 一般管理費等については「入札価格」の5%を下回る場合に、原則として落札を認めない独自のルールを設ける。工事には直接関係しない営業・管理経費を計上する一般管理費を大幅にカットすることが「無理な経営や工事品質の悪化につながる」(財務局経理部)と判断した。企業の技術開発費を担保しようという意向もある。
 調査項目は、履行能力などの確認に関する24項目と経営状態に関する3項目の合計27項目。13項目ある通常の低価格入札調査を倍増させ、低価格での応札への対応を厳格化する。
 履行能力に関する項目では、品質確保体制と労働安全管理体制、労務費について重点的に調査。下請け業者へのしわ寄せへの懸念を払しょくするため、下請け業者の見積もり根拠となる▽給与明細表▽賃金台帳▽取引実績を示す契約書−などの提出を求めるとしている。
 また、特別重点調査の導入で失格者がでることを踏まえ、調査のスピードアップも図る。これまでの低入札価格調査では第1順位の入札者のみに行ってきたが、対象になった第1順位以降の入札者にも同時に調査を行うことにする。
 都は、今週中に制度の詳細を公表し、10月5日の公表分から制度を適用するが、2009年第4回都議会定例会の付議案件となる6件(古川地下調節池工事(その1)を除く)については先行して適用する。7月に開札した一般競争入札7件が低入札価格調査の対象となったこともあり、希望申請後の入札参加者に導入を通知する異例の措置をとった。
 都の低入札価格調査の対象案件は、06年度に44件とピークを迎え、07年度に33件といったん減少したが、08年度に40件と再び増加に転じた。都は4月から低入札価格調査制度の強化などで対応を図ったが、09年度も25日までに33件が対象案件となるなど、前年度を大幅に上回るペースで低入札が増加している。
  


提供:建通新聞社首都圏本部東京支社