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建通新聞社(中部)
2009/10/07

【岐阜】県は1日からコンサル業務等の一部で低入札調査価格の試行導入

 岐阜県は1日、県発注の「建設コンサルタント業務等」(測量、建築と土木関係建設コンサルタント、、地質調査、補償関係コンサルタント)の一部に低入札価格調査の試行的導入を開始した。建設コンサルタント業務の入札でも低入札傾向にあり、業者間の過当競争や成果品の品質の悪化が懸念されるため、契約内容に適合した履行を確保できる適正価格での契約がなされるようダンピング防止策を講じることにした。
 対象業務は、県土整備部(本庁各課・各土木事務所)が発注する建設コンサルタント業務など(測量業務・建築関係の建設コンサルタント業務・土木関係の建設コンサルタント業務・地質調査業務・補償関係コンサルタント業務)で、予定価格が500万円以上のもの。調査基準価格を下回る落札候補者に対し、@当該価格により入札した理由A入札価格の内訳書B当該契約の履行体制C手持の建設コンサルタント業務の状況D配置予定技術者名簿E手持ち機械などの状況F過去において受注・履行した同種または類似の業務の名称及び発注者G直前3カ年の事業(営業)年度に係る経理書類―の項目で低入札価格調査を実施する。
 調査基準価格は予定価格の60%から80%の範囲内(地質調査業務は予定価格の3分の2から85%の範囲内)の額で、測量業務は直接工事費と測量調査費の額と諸経費の30%の合計額に1・05を乗じた額とするなど国の基準に合わせたものになっているが、最大の特長は、「第三者による照査等」を設けた点だ。
 第三者による照査では、低入札価格調査を受けた者が落札者となった場合、契約締結前に、照査などを行う第三者を選定し、発注機関に申し出て要件の確認などを受けなければならない。内容は、設計業務委託では通常の自社の照査に加え、落札者の負担で同様の内容の第三者による照査、測量地質調査では、通常の自社の精度の確認に加え、第三者による主要な箇所の精度の確認を実施するなど。さらに第三者による照査などが適正に執行されたことについて、成果品の検収時に発注機関の確認を受けなければならないことになっている。また、第三者は、照査などの業務に関し、粗雑業務と認められた場合、資格停止その他不利益となる措置を受ける可能性があり、厳しい措置を講ずる体制を整えている。
 県の同業務に関する平均落札率の流れは、2005年度が91%、06年度が91・5%、07年度が90・4%、08年度が89・7%と横ばいながら低下傾向のほか、予定価格の70%未満の業務(入札)の発生率も05年度が1・1%だったのに対し、08年度が5・1%と増加傾向にあることから対策が求められていた。