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建通新聞社四国
2009/10/20

【徳島】国の新たな概算要求分析し要望事項まとめを 飯泉知事

 徳島県の飯泉嘉門知事は、国の2010年度予算概算要求の再提出を受けて、県政への影響を分析・情報収集し、あらためて国に行う要望や提言内容をまとめるよう各部局に指示した。
 県は15、19日の両日、概算要求の再提出の内容を把握し、政府に要望・提言を行うため、各部局の部長・副部長を中心とした「政策企画会議」を開催。飯泉知事は14日に自ら上京して行った情報収集の経験も踏まえて「(国の)事務方から情報を得ることができず難しい作業になると思うが、スピード感を持って政務職に提言・要望していかなければならない」と話し、9月25日に行った『徳島発の提言・要望』に続いて「早急に第2弾の提言・要望を行う」考えを示した。
 今回の概算要求再提出は、省庁全体の要求事項や組み替えのポイントが中心で、各地方部署ごとの概要などは明らかにされていない。また、国土交通省を中心として、県内の事業に関連した項目での減額や新たに組み込まれる可能性のある事業も多く、県の各部局では情報収集などの対応に追われている。
 特に、国土交通省の再提出内容では、新たな概算要求額が国費ベースで6兆1943億円と前年度当初予算(6兆3573億円)比3%の減。公共事業関係費は14%減の4兆9167億円で、過去最大の下げ幅となっている。さらに8月31日の要求額6兆9506億円からは29%減となっており、直轄事業はもとより、県事業へも大きな影響が懸念されている。なかでも、道路整備関連は、1兆0736億円で前年度当初比12%減。「真に必要な道路事業を重点化するとともに、開通時期が近いものや事業年数が短いものを優先。また、原則として新規事業を行わず、加えて事業個所数を2割程度削減する」としており、本格化した四国横断自動車道の新直轄区間や県内各道路事業への影響が注目される。
 一方で、県が神戸淡路鳴門ルート無料化を訴えている高速道路の原則無料化に向けた取り組みには、6000億円を盛り込んだことが明記された。対象となる区間は明らかにされていないものの、同ルートが対象となるよう県は要望を重ねていくことになる。
 また、長安口ダムの改造事業や河川整備計画が策定された吉野川の整備を控える治山・治水面は、前年度当初比1%減の8030億7400万円を計上。ダム事業を見直し予算を縮減するとした一方で「重要河川の堤防強化や災害時要援護者のための土砂災害防止対策といった予防的な治水対策を重点的に実施する」としている。長安口ダムが08年度補正での凍結対象外となっていることもあり、期待を持ちながら内容の分析を進めることになりそうだ。
 県県土整備部は「四国横断自動車道をはじめとして、本県にとって必要不可欠な道路事業に注目している。高速道路無料化についても、神戸淡路鳴門ルートから社会実験に取り組まれるよう要望していきたい」との考えを示している。