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建通新聞社(静岡)
2009/10/26

【静岡】低入調査 県内8自治体で新中央公契連モデル

 県内自治体では、22市町と静岡県が低入札調査基準価格を設けており、うち7市町と県では設定式を新中央公契連モデル(2009年4月モデル)に改定している。一方、最低制限価格についても22市町と県が運用しているが、新中央公契連モデルに改定済みの自治体は2市1町と県のみ。新公契連モデルの導入によって、調査基準価格と最低制限価格が2%程度アップするため、ダンピング受注や粗雑工事の回避などの効果が期待できる。今後、多くの自治体では新公契連モデルへの移行を検討することが求められる。【2面に各自治体の調査結果を掲載】

《低入調査価格=設定条件はさまざま》
 低入札調査基準価格を設定しているのは、17市5町と県。県中部地区の5市2町ではすべてで運用している。吉田町のみ非公表で、残る21市町と県は事後公表している。
 設定条件の価格帯はさまざま。伊東市、清水町、御前崎市、磐田市の4市町が「130万円以上」と、ほぼ発注案件すべてに該当する範囲で低入調査価格を運用している。
 10市町と県が「予定価格1000万円以上」から「同5000万円以上」で設定し、最も多い階層となっている。一方、2政令市は「予定価格1億5000万円以上と金額に関係なく総合評価の場合に設定」(静岡市)、「予定価格1億円以上」(浜松市)と高価格帯で運用している。
 設定式を新中央公契連モデルに改定しているのは7市町と県。中でも、熱海市、裾野市、富士宮市、清水町では新公契連モデルが完成した4月に改定し、国の動きに素早く反応した。伊東市、静岡市、島田市では今後、見直しを検討しており、富士市では10年4月の導入を予定している。
 一方、旧公契連モデルの運用自治体が4市、独自の設定式で運用している自治体は7市町。

《最低制限価格=設定金額ラインは1000万円未満目立つ》
 最低制限価格を設定している自治体は13市9町と県。11市町と県が低入札調査基準価格と併用している。
 公表状況は13市町と県が事後で、残る9市町は非公表。低入札調査基準価格と同様に、事前公表している自治体はなかった。
 設定条件は、「すべての工事」で設定している自治体が5市町。低入札調査基準価格との併用自治体では「1000万円未満」で設定のラインを引くケースが目立つ。
 一方で、「金額の制限なし」(熱海市)、「条件未設定」(袋井市)、「総合評価を除く予定価格1億5000万円未満」(静岡市)など幅広い設定金額で運用している自治体も多い。
 設定式は、新中央公契連モデルに改定済みが2市1町(沼津市、南伊豆町、浜松市)と県。静岡市など3市が今後見直しを予定している。
 独自の設定式で運用している自治体は14市町。旧公契連モデルの設定式を運用している自治体はなかった。
 新公契連モデルでは、調査基準価格の設定範囲を予定価格の「66・6〜85%」から「70〜90%」へ引き上げ、現場管理費の算定割合を高めているため、調査基準価格と最低制限価格が2%程度アップする。ダンピング受注による工事品質への影響や下請けへのしわ寄せを避けるためにも、新公契連モデルを適用していない自治体には、早期の移行検討が求められる。

建通新聞社 静岡支社