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建通新聞社四国
2009/10/30

【徳島】国動向不透明で最悪想定、歳出を削減 県の10年度予算編成方針

 徳島県は、27日に庁議を開き、2010年度当初予算の編成方針を固めた。県税収入減などの財源不足に加えて、公共事業の見直しなど新政権による国予算編成の見通しが不透明なことを受けて「大幅な歳出削減を図る」「国の予算編成の動向を的確・迅速に見極めて、適切に対処する」ことを確認。10年度の収支不足額を278億円と見込み、全体で225億円の収支改善目標が必要と試算した。このうち、公共事業関連では、前年度と同じ24億円の改善を設定している。また、08年度から設けた「未来創造につながる新規事業に予算を配分する」未来創造枠は、引き続き約2億円を設定した。
 今回の予算編成方針では、地域主権の確立を掲げた新政権の概算要求で「地方交付税の1兆1000億円増額を事項要求に止める」一方、公共事業の主要財源となっている自動車関連諸税の暫定税率廃止が反映されていない段階で約15%の削減となっていることを懸念。制度変更や削減の影響を国が補填しなければ約130億円の減収となる可能性があり、「県内公共事業(09年度一般財源ベース約85億円)が壊滅的な影響を受けるだけでなく、義務的経費も歳出できない恐れがある」とした。このため、全体では「国における厳しい歳出削減を想定し、徹底した事業見直しに取り組む」方針。政策評価対象事業などの行政経費では8億円を削減する目標を示す一方、公共事業関連については「国の動向を見極め、別途指示する」とした。
 現時点での具体的な方針は、一般補助事業・国直轄負担金が▽十分な重点化を図り、事業を厳選▽中山間地域に配慮する▽大幅な制度変更による影響が想定されるため、国の動向を見極め、分析・判断した上で取り扱いを決定。情報が入れば、速やかに財政課に報告して協議する─など。単独事業は「十分に検討し、厳しく事業の選択と進度調整を行う」とした。このほか▽入札請差等の他への流用は原則認めない▽県単事業の未契約繰越は認めない▽予防保全型の管理を導入し、更新時期の延命化や管理コストの縮減、事業費のピーク抑制に努める─などの方針が指示されている。
 各課からの要求書締め切りは11月13日。年末の財務課長査定、1月末ごろの知事査定を経て、2月中旬の予算案発表を目指す。