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建通新聞社四国
2009/12/18

【愛媛】県内2者JV対象に松野東トンネル掘削を公告 来月13〜15日に参加受付

 愛媛県は、松野町吉野に建設する国道381号松野東トンネルの掘削工(延長353b)を2つの県内業者で構成する共同企業体(JV)へ発注することにし、入札後審査型一般競争入札を公告した。入札書類などの提出は2010年1月13〜15日に受け付けて同月18日に開札、簡易型総合評価落札方式(施工計画型)により落札者を決める。県がトンネル掘削工に県内業者への発注方式を導入した03年度以降、その対象案件としては、08年度に県内3者JVへ発注した国道379号万年トンネル工事(砥部町万年、計画延長735b)に次ぐ延長で、JVへの発注も同トンネル工事に続いて2回目になる。
 県は03年度、それまで原則として県外業者が代表するJVへ発注してきたトンネル掘削工を、小規模で技術的難度の低いものは県内業者へ発注することを決定。対象も順次拡大し、07年度からは施工延長の目安を500bまでと設定していた。
 さらに万年トンネル工事については、施工計画延長が目安を超えていたが、県内業者の積極活用や健全な発展といった観点から県内発注を選択。ただし強固な施工体制を構築させるため、モデルケースとしてJV形式を採った。
 松野東トンネルについては、施工計画延長などから県内発注を決定。JV形式は、業界を取り巻く厳しい経営環境を踏まえてより多くの業者に受注機会を与えようと採用したほか、代表者ではない構成員にはトンネル掘削の施工実績を求めず、今回の工事で新たな実績の獲得もできるよう配慮した。
 松野東トンネルは、松野町吉野に整備中の松野東バイパスに建設するもので、幅員9・75b、内空断面積58平方b。NATM工法により掘削される。設計はエイト日本技術開発が担当した。
 今回発注する工事には延長235bの明かり部整備も含み、工期が12年2月29日まで。予定価格は9億0450万円。
 JV構成員の資格要件としては県内業者であること以外に、土木一式工事の格付け総合数値が代表者は950点以上、もう片方の構成員は900点以上であることなどを設定。経営事項審査の土木一式年間平均完工高についても代表者は3億5000万円以上、もう片方の構成員は3億円以上であることを求めている。さらに代表者は、過去15年間に延長240b以上で内空断面積40平方b以上のトンネルを、NATM工法により元請施工した実績も必要。
 落札決定の手続きでは、価格以外の要素のうち施工計画はJVとして、施工能力と配置予定技術者についてはJV代表者に関して、それぞれ評価。地理的要件と地域貢献度については両構成員を評価し、各出資比率に準じて加点する。施工計画は▽周辺環境への影響軽減(水質汚濁対策、残土の防塵対策や運搬時留意事項)▽坑内作業の安全対策(防塵対策、切羽作業時と支保工建込時の安全対策)▽地質変化への対応(想定以上に堅固な岩への対応)─について見る。