トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2009/12/25

【愛媛】桁橋形式を選定 国道56号肱川橋架け替え

 国道56号肱川橋(大洲市大洲〜中村)の架け替えに向けて国土交通省大洲河川国道事務所が設立した「肱川橋周辺まちづくり検討委員会」(委員長・柏谷増男愛媛大学大学院理工学研究科教授)の第2回会合が18日、大洲市の大洲市民会館であり、新しい橋の形式として桁橋(4径間、延長184b)を選定した。同事務所はこれを踏まえ、2009年度末をめどに詳細設計を進める。
 肱川橋の架け替えは、老朽化や耐震性の不足などを受けて打ち出された。詳細設計業務は大日本コンサルタントが担当。同事務所は、事業推進にあたって橋周辺の環境や景観、まちづくりなどについても検討しようと、学識経験者や地域住民、行政関係者ら11人の委員で構成する同委員会を9月に立ち上げた。
 橋梁形式の選定に向けて今回の会合では、事務局が桁橋をはじめ斜張橋、アーチ橋、トラス橋の4つの案を提示するとともに、それぞれ景観性、経済性、構造性、施工性、走行性、維持管理性についての比較も説明。委員は、外観も周辺の風景に合致する桁橋が最適との意見で一致した。
 桁橋の案によると、桁は鋼・コンクリート合成構造(プレビーム)のものを採用する。これにより、桁の厚みを抑え、桁下面と洪水時水面との間の余裕高をより確保できるほか、耐久性にも優れると説明。さらに上水や通信の管路が桁の間に収まるため、川から見上げる景観も整えることができるという。
 路面はコンクリート床版のため振動が少ないほか、凍結防止対策なども抑制できる、としている。
 計画幅員は15・3bで、うち車道は上り・下り3・25bずつ。両側の自転車歩行者道は、現在の1・75bずつから大幅に広げ、自転車と車椅子がすれ違うことができる目安の3bずつを確保する。
 概算工事費は22億円。これはほかの案(斜張橋34億円、アーチ橋31億円、トラス橋28億円)と比べても安い。
 会合では、前後の取り付け道路部も含めた歩行者空間についても検討。事務局が橋とその前後が連続するデザインの方針や、橋の車両用防護柵、高欄、照明、歩道舗装などのデザイン案などについて説明し、意見が交わされた。また、歩行者の「溜まり空間」については、委員から確保を求める意見が相次いだが、橋上か橋詰めかといった設置場所に関して折り合わず、今後も継続して審議することにした。
 次回会合は2月上旬の予定で、景観を含めたまちづくり方針に対する合意形成を図る。同事務所はそれらを踏まえて、設計協議や用地買収を10年度以降に順次、進めることになる。