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福島建設工業新聞社
2010/01/21

【福島】県土木部が積算精度向上へ非公開の見積もり単価を公表へ

 県土木部は、物価刊行物や単価表に掲載のない「見積もり単価」等について、現在の非公開扱いを改め、公表とする方向で検討している。今年度から予定価格の公表も仕方を事後化していることもあり、積算の正確性がより重要になるとの、応札者側の求めを受けた対応だ。公表は、実際の採用価格を示す形になりそうだ。見積もりにより決定している材料単価と歩掛りについて、公表の検討を進めている。
 建設物価調査会、経済調査会から市販されている物価資料や、同部で作成している単価表に掲載がある「公表単価」以外の資材単価と、積算基準に設定のない歩掛りは、複数者(土木原則5社以上)から見積もりを徴集、最も低い価格を採用している。
 1工事当たりの、その材料使用の合計額が100万円以上になるものについては、今年度から従来の見積もり方式をやめて、「特別調査」として物価版の刊行会社に委託して調査する形に改めたため、見積もり単価の数自体は減ってはいるが、未だ相当数あるという。
 この見積もり単価等について同部は、公表した場合、見積もり提出者の今後の営業活動に不利益を生じる恐れもあるとして従来、非公開扱いとしてきたが、予定価格の事後公表化に伴い、積算の一層の精度向上のため公表を求める声が高まったことを受けて、公表に向けての検討を始めた。
 公表は、実際の採用価格のみを開示するようになる見通し。特別調査分も現在は非公開だが、この特別価格も公表対象とする方向でいる。ただ公表化するには、事前に見積もり提出者から公表についての了承を得ていることが前提になるため、公表の仕方や範囲などを含め、公表決定までには慎重な判断も求められそうだ。
 見積もり単価をめぐっては、昨年11月の県入札制度等監視委員会の建設業関係団体に対する意見聴取や、昨年11月から12月にかけての土木部と関係団体との意見交換の場などで、公表を求める要望が出されていた。
 同部によると、見積もり単価は、東北地方整備局、東北の他5県とも非開示だという。
福島建設工業新聞社