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北海道建設新聞社
2010/02/02

【北海道】2010年度受注見通しは97%が「減少」道建協が景況感調査

 北海道建設業協会(岩田圭剛会長)は、会員企業を対象とする景況感等のアンケート結果をまとめた。2009年の受注状況については、景況指標となる「完成工事高」が「増えた」と回答した企業が08年を6・9倍も上回った。相次ぐ補正予算が増額をもたらしたが、「最近の資金繰り」を問うと大半が「厳しい状況に変わりない」と答えている。今回は政権交代に伴う特別調査を同時に行ったところ、10年度の受注額については「減少する」が97.2%を占め、事態の深刻さをうかがわせる。
 会員企業770社を対象に調査し、465社(回答率70.8%)が回答した。調査は毎年12月に行っている。
 「完工高」は、08年との比較で「増えた」企業が145社に上り、08年の21社を6・9倍上回っている。「ほぼ横ばい」も166社と08年を71.1%上回り、「減った」は08年を50.8%下回る154社にとどまった。
 金額別に見ると、最多帯の「5億円未満」が181社(08年比9.7%増)と増加する一方、「50億円以上」は8社(同27.2%減)と1けた台に後退。大手企業から一律の減額傾向にあり、「20―50億円未満」が48社(同17.1%増)、「10―20億円未満」106社(同16.5%増)とスライドし、「5―10億円未満」は122社(同0.8%減)とほぼ変わらず。
 増減の理由を「公共工事」と「民間工事」で見ると、増額した企業の中で最も高い「30%以上」の伸びをみせた67社が「公共工事」を要因に挙げる。逆に減額した企業で「30%以上」の落ち込みをみせた50社は「民間工事」が原因となっている。
 増減割合で見ると、増加企業の中で「10%程度」が44社と最多、次いで「30%以上」38社。減少企業では「20%程度」の48社をはじめ、「10%程度」が40社となっている。
 傾向としては「民間工事」を主力とする企業が一昨年前の金融ショックから逆風にさらされ、主に「公共工事」を受注する企業が補正効果で一息ついた格好だ。
 しかし建設市場としての経営環境は厳しく、「金融機関の融資対応」「最近の資金繰り」を問うと、「厳しい状況に変わりない」が圧倒的に多く、それぞれ融資対応で72.5%の337社、資金繰り78.5%の365社を占める。
 「最も懸念すること」は「受注高減少による経営不振」が284社と断トツ。「社内での取り組み」は、「リストラ」が突出し、「業務提携・協業化」を視野にしつつ「新分野進出・経営多角化」「得意分野への特化」が選択肢にある。
 そのために必要な支援は、「離職者への雇用措置」「合併の優遇措置」「新分野進出の支援」などを求めている。
 今回追加した特別調査では、政権交代の影響を質問している。「来年度の受注額見通し」を問うと、「大幅な減少が強く懸念される」が87.7%の408社、「少し減少する」が9.5%、44社と計97.2%、452社を占め、「増加する」との回答は皆無だった。
 「新政権への懸念」は、「大幅な公共事業の削減で競争激化」「地方経済の崩壊」「建設業の倒産、失業者の増加」などが意見として出た。
 「新政権に望むこと」は、「地域経済の活性化に必要な社会資本整備と財源の確保」をはじめ、「マニフェストの大幅な見直し」「地元企業への受注機会確保」「地方経済が混乱しない政策」「雇用の確保、再就職支援」「政権交代」「地方交付税の規模拡大」―などがある。