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日刊建設タイムズ社
2010/02/03

【千葉】「品質管理監査合格証」の交付決定/千葉県生コンクリート県生コン品質管理監査会議 県生コン工業組合の65工場が適合

  「第25回千葉県生コンクリート品質管理監査会議」(議長・重倉祐光東京理科大学名誉教授)が先月29日、千葉市内の京葉銀行文化プラザで開かれ、09年度下期の品質管理監査結果報告などを審議。その結果、千葉県生コンクリート工業組合(鈴木実理事長)の組合員のうち65工場(68プラント)を適合とし、「品質管理監査合格証」の交付を決定した。監査は昨年8月31日から10月6日にかけて実施したもの。
 同会議は、産官学体制による公正な品質管理監査を都道府県単位で実施することにより、レディーミクストコンクリートの日常の品質管理の徹底と安定的供給を実現させ、当該地区の工場で製造される同コンクリートの品質に関する使用者からの高い評価をはじめ、信頼並びに理解と協力を得ることを目的とし、各工業組合からの要請を受けて設置したもの。2.2
 会議の冒頭であいさつした重倉議長は、まず、政府・民主党が掲げる『コンクリートから人へ』に対して、「コンクリートが名指しで嫌われる時代を象徴するかのように、当工業組合における売り上げ、その他においても芳しくない状態が続いている」との現状を厳しく指摘する一方、「経済の歴史も繰り返されると信じており、将来的には燭光も射して来るだろう」との期待感をにじませた。
 また、本県のみが年2回の立入監査(上期・重点監査、下期・総合監査)を実施していることに言及した氏は、「年1回の総合監査のみの他県に比べて、本県は熱心に取り組んでいる証である」としたうえで、「我々品質管理監査会議としても、これを厳しい目で、しかしながら温かい目で見守っていきたい」と述べ、あいさつに代えた。
 次いで、委嘱者の鈴木理事長の代理であいさつした柴田文成副理事長は、まず、県内における生コン出荷量について「昨年は約350万m3だったが、来年までの2年間に100万m3が減少する見通しという異常事態である」と指摘したうえで、「しかし、品質管理は信用である。この品質管理監査会議においては、さらなる厳しい目で視てもらうとともに、絶大なる支援を頂きながら、我々千葉工組も前に進んでいきたい」との決意を示し、あいさつを結んだ。
 生コンクリートの品質管理監査は、1995年に発生した阪神・淡路大地震をはじめ、新幹線トンネルの崩落事故などで生コン品質に対する社会的不安が高まったことから、全国生コンクリート工業組合連合会が国土交通省の指導を得て、業界全体としての全国統一の品質管理監査制度を制定。この運営にあたる産官学構成の全国生コンクリート品質監査会議(全国会議)が各都道府県単位の地区会議と連動し、中立・公正・透明性を高めた監査により、さらなる品質の向上と管理の指導を実施するもの。
 同制度では、品質にかかわる順守事項において、指定された監査委員が年2回の立入監査(上期・重点監査、下期・総合監査)を実施。その結果は全国会議で審議し、適合か不適合かを判定。また、全国会議では、生コンの全国統一の合格証として「○適マーク」の使用承認制度を適用。合格工場の中から、地区会議がマーク候補工場を全国会議に申請し、製品の品質と品質システムが確実に維持されていると判断した工場に承認を与えるもの。
 本県では98年度から品質管理監査会議を設置し、国際的な品質管理システムであるISO9000シリーズも取り入れた全国統一品質管理監査基準に基づく立入調査を行い、合格工場に対して合格証を交付。00年度からは○適マーク制度も導入した。
 千葉県生コンクリート品質管理監査会議が今回実施した品質管理監査の内容は、「全国統一品質管理監査基準」と「チェックリスト」に基づく総括的事項の調査と個別的事項の調査及び実地調査(112項目)。調査項目は、@実地検査項目及び品質への大きな影響が懸念される項目(11項目)Aコンクリートの品質に影響する項目(JIS規格、個別審査事項に規定されている項目)(75項目)Bコンクリートの品質に影響する項目(JIS規格、個別審査事項に規定されていないが、必要な項目)(26項目)。
 合否の判定基準は、全国会議09年度適合判定基準による減点法とし、減点数の合計が20点以下を適合とした。監査員は、(財)日本品質保証機構などの第三機関(外部監査員)12人を含む38人。
 今回の品質管理監査集計結果をみると、減点ゼロは50工場(昨年は48工場)で、全体の77.0%(同73.9%)を占めた。今回交付される09年度品質管理監査合格証の有効期間は、10年4月1日から11年3月31日まで。
 また、この日は10年度における品質管理監査計画を承認。このうち、上期に行う重点監査計画では、製品品質の適合性の確認及び改正JISへの適合の現認を行い、社内標準化及び品質の維持向上を図ることを目的とし、品質検査、試料採取、計量記録から算出した単位量の検査を実施。また、品質確保の有効性を確認するため、09年度の合格証を交付した工場から任意で14工場を選定し、「動荷重・単位水量検査」と「貯蔵骨材の現認調査」についての無通告の確認試験を実施する。監査及び確認試験時期は6月1日から18日の間を予定。
 ちなみに、千葉県生コンクリート工業組合では、05年度総合品質管理監査結果から、各工場の減点対象事項をはじめ総括的及び個別的事項、前年度及び当該年度減点合計、改善指導後状況などの事項別減点数を一般に開示している。

提供:日刊建設タイムズ