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北海道建設新聞社
2010/02/08

【北海道】失格判断基準を引き上げへ−道が総合評価見直し案

 道建設業審議会総合評価方式検討専門委員会(委員長・高野伸栄北大大学院准教授)の第3回委員会が5日、第2水産ビルで開かれ、低入札価格調査制度の失格判断基準を最低制限価格までに引き上げるなど、道の総合評価見直し案を了承した。委員会では、今月中に報告書としてまとめ、道に提出する。新たな総合評価の実施は、2010年度からで、09年度内に配点や評価項目の詳細を決定する。見直し案は、失格判断基準の引き上げのほか、簡易型総合評価の評価項目に、企業の手持ち工事量を考慮する「地域建設業経営環境評価」を追加した。
 今回の見直しのポイントは「低入札への対応」「価格評価と技術評価バランスの見直し」「地域性への配慮」―の主に3点。
 低入札の対応では、低入札価格調査制度の失格判断基準を最低制限価格と同程度に設定。算定基準となる直接工事費などの4費目の比重を最低制限価格並みの比重に引き上げる。
 現行の基準では、予定価格に対し約77%の金額が失格判断基準となっており、最低制限価格(約90%)と、失格判断基準との間の低入札への対応が課題となっていた。
 前回までの委員会では、総合評価方式での最低制限価格の導入を検討。しかし、国が、総合評価方式では、低入札価格調査制度の運用のみを規定していることに加え、失格判断基準引き上げにより、最低制限価格と同じ効果を得ることができることで、これまで通り低入札価格調査制度の適用で、失格判断基準を引き上げるべきと結論付けた。
 価格と技術の評価バランスは、全体的に技術評価ウエートを引き上げ。施工計画審査タイプで、価格と技術の評価を現行の45対20から、30対30程度に、実績審査タイプでは、45対15から30対20程度で検討する。
 評価項目では、施工計画、施工実績両タイプに新たに「地域建設業経営環境評価」を追加。過去の受注額を企業の「施工能力」実績と評価し、すでに受注した工事の総額と過去の受注額の差を施工能力の「可能額」として評価する。同評価は、国の基準に準じる。施工計画の評価では、これまでの4項目に加え、「工程管理」と「施工上の課題」の課題の中で設計変更への対応や地球環境への対応を求める項目を追加。
 施工実績に関する評価では、配置予定技術者評価で、1級土木施工管理技士の長期有資格者を新たに評価するほか、土現の優良現場代理人表彰を評価項目として新設。
 地域精通度では、求める施工実績の期間を過去10年から15年に延長。地域貢献度では、地域社会貢献活動を評価項目に加える。同活動はこれまでの「実績」と、工事を請け負った後に実施する「計画」の2つに分け、各土現が4―5つを独自選定する。この評価項目について、委員会では「企業に過度な負担となるようなものは避けるべき」との意見が出され、今後、さらに検討する。
 総合評価の対象は、A等級工事(一般土木は9000万円以上)が対象。5億円以上は標準型、特定共同体(JV)が対象となる3億円以上工事は簡易型の施工計画審査タイプとなる。9000万円以上3億円未満は、工事の難易度、規模によって施工計画審査、施工実績審査を使い分ける。委員会では、公共工事が減少している中で、3億円以上に限定している特定JV運用基準を引き下げるべきではとの指摘も出ていた。