トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2010/05/12

【京都】収支見通しは赤字を予想 存廃判断、次回に持ち越し

 向日町競輪事業検討委員会(委員長・田中敦仁関学教授)は11日、上京区の平安会館で第6回委員会を開き、事務局側から示された収支見通し資料を基に統括論議を行なった。収支見通しが暗いこともあり、各委員の意見は「収入の減少を税金で補填するのは無理」、「選手や関係従業員などに大きなダメージを及ぼさないような(廃止の)方策が必要」など存続を否定するような意見が大勢を占めていた。委員会では、今回の論議内容を事務局で総括集約し、次回にまとめるとして、存廃の最終判断は次回委員会に持ち越した。
 事務局から示された収支見通しは、23年度以降@入場者数は増減無し、電話投票は5%増、場外投票は増減無し、A入場者は10%減、電話投票は増減無し、場外投票は5%減、B入場者は20%減、電話投票は5%減、場外投票は10%減−の3つのケースで試算。合わせて経営改善で5000万円の削減(22年度から取組み)を実現した場合の年間収支を、23〜26年までの予測としてまとめられた。それによるとケース@の場合は2200〜5800万円の黒字としたが、ケースAでは6400万円〜3億3300万円の赤字、ケースBでは3億2200万円〜10億1300万円の大幅赤字になるとした。
 これについて各委員からは、「向日町だけでなく、全国で売上額や入場者が減少していることをケース@は反映していない」、「経費削減の取り組みが遅すぎた」、「収入の減少を税金で補填するのは無理」、「1年間の時間があったが有効な取り組みが出来ていない」、「官が管理して、官が運営しているため自助努力の余地がない」などといった厳しい意見が寄せられた。
 各委員の意見を踏まえた上で田中委員長は、競輪事業について「6回の委員会で議論も出尽くしたと思われる。これまで府の財政に多大な貢献をしてきたが、景気低迷やファンの減少などもあり収益事業としての役割が達成できなくなっている」としたうえで、各施設の老朽化に対する将来的な経費増大や府民アンケートの7割が消極的な回答だったことなどをあげ、「これまでの内容を総括的に事務局で整理してもらい、次回にまとめていきたい」と、存続の判断は次回の委員会に持ち越した。
 府では、次回に開催する第7回委員会で委員会答申をまとめて知事へ答申、早ければ9月までに知事が向日町競輪事業の存廃について決断することになっている。