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建通新聞社四国
2010/05/28

【愛媛】総合運動公園整備は別枠で 県が要望

 愛媛県は、2011年度政府予算編成に向けた重点施策の提案・要望項目をまとめた。県内社会資本整備に関しては、全国に比べて大幅に遅れている状況を踏まえて重点的な予算配分などを求めるとともに、えひめ国体の開催に向けた県総合運動公園(松山市上野町)の整備などで別枠的な事業費確保を要望。このほか最重点項目としては、山鳥坂ダム水没地域(大洲市肱川町)の生活再建と地域振興の早期実施や今治新都市への大学獣医学部誘致に向けた規制緩和、学校施設耐震化の促進などを上げた。24日には加戸守行知事が民主党県連へ要望書を提出、陳情したほか、きょう28日には東京で県関係国会議員へ要望することにしている。
 社会資本整備費の確保に向けては10年度に創設された社会資本整備総合交付金についても、総額の確保や、財政力が弱い地方公共団体に対する交付率の嵩上げを要望。別枠的事業費確保は国家的事業の支援やプロジェクト関連事業などを対象とするよう求め、県総合運動公園整備のほか離島事業などでも行うべきとした。
 社会資本の個別事業に関しては、高規格幹線道路ネットワークなどのうち四国横断自動車道宇和島北〜西予宇和や宇和島道路の整備促進を求めているのをはじめ、(仮称)津島道路(愛南町〜宇和島市津島町岩松、約11・5`)の早期事業化や、予定路線のまま進展していない四国横断自動車道高知県境〜愛南町の早期の整備計画明確化を要望。17年のえひめ国体開催に向けては、国道33号から松山空港までの円滑な交通を確保するために松山外環状道路の整備が急務だと訴えている。
 さらに今治小松自動車道や国道197号の名坂道路(八幡浜市)と八幡浜道路、国道33号三坂道路(久万高原町〜松山市)の整備促進も提示。供用されている四国縦貫・横断自動車道についても、2車線区間への付加車線整備や早期4車線化、(仮称)宇和PAの整備を求めている。
 新規直轄事業対象となる「重点港湾」に関しては、県内既存6カ所の「重要港湾」すべての選定が望まれるとし、中でも東予港西条地区、松山港、新居浜港については新たな施設整備の必要性を説明。特に東予港西条地区では、国が主体となって実施する東防波堤の整備を、早期事業化するよう促す。
 山鳥坂ダム水没地域の生活再建・地域振興は、事業の再検証作業に先行して実施するよう訴え、そのための事業として県道小田河辺大洲線の付け替えや、市道・林道の改良、さらに簡易水道や市営住宅など公共施設の整備などを上げた。
 山鳥坂ダム建設事業に関しては検証方法にも言及し、河川法の精神を踏まえ、地方からの意見聴取や協議の機会を確保した上で実情や経緯などを尊重するよう釘を刺している。
 今治新都市の規制緩和は、獣医師養成系大学の新設が、収容定員が増となる同大学の設置などを認めないとする文部科学省の告示により、事実上不可能となっているために要望、構造改革特区による打開を目指す。市と共同で行っている特区提案などに対しては、実施時期に関して10年度中をめどに検討する方針が3月に国から示され、それを受けて国の緊急経済対策の趣旨に沿った臨時特区提案も行っているという。
 学校施設耐震化の促進に関しては、文部科学省の現行国庫補助制度が公立高校施設を対象外としている点を指摘し、国が定めた15年度までに9割との目標を達成するには巨額の財政負担がかかるとして、公立小中学校施設と同様の地方財政制度を創設するよう要望。公立小中学校などの施設についても補助制度の拡充や、改正地震防災対策特別措置法による特例措置期間(08〜10年度)の延長を要望している。さらに私立学校施設耐震化補助については、率の引き上げや要件緩和、財源措置などを求めている。