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建通新聞社(静岡)
2010/06/30

【静岡】静岡県=中山間地の橋梁など対象に「橋守」を10年度も試行、11年度からの本格運用目指す

 静岡県は、橋梁施設の長寿命化対策について、橋梁の巡視や小規模補修を外部委託する「橋守(はしもり)」を2010年度も試行・実施する。11年度からの本格運用を目指し、橋梁パトロールや清掃、断面補修などに取り組むほか、中山間地に位置する橋梁で橋守業務を試行する。08、09年度の2年間に、2土木事務所で6件の業務実績(すべて委託業務として地元の土木一般業者と契約)があるが、10年度は実施項目の見直しも進める。
 「橋守」とは、橋梁の巡視、清掃・局部塗装などの小規模補修を外部委託で行うもの。常に橋梁の状況を把握し、汚損や損傷に対する早期対応を可能にする。他県では、橋梁に関する高度で専門的なノウハウを持った技術者を橋守の担い手とすべく、団塊の世代を迎えた民間技術者やNPOの活用を検討している事例がある。
 県では、過去2年間で6件の橋守業務を委託。主な業務内容として、@橋梁点検A橋梁パトロールB清掃(排水桝)C清掃(沓座)D塗替塗装E断面補修F携帯電話を活用した写真保管−などを実施してきた。
 10年度の取り組みとして、業務内容を検証した上で、実施項目の見直しを実施。中山間地に位置する橋梁を対象に試行する。
 さらに、従前実施している小規模補修工事との融合の可能性を検証。10年度の実施対象として、静岡土木事務所を除く7土木事務所管内にある橋梁を予定している。
 元来、橋守とは橋の近くに代々家族で住み、橋の状態を毎日点検しながら劣化した個所の塗装替え、緩んだボルトの締め増しなどの保全を行う専門職種。1960年代半ばごろまで旧国鉄にこの制度があり、各地の鉄道橋の維持管理を行っていた。
 橋梁に限らず、トンネルや水門など県が管理する公共土木施設には、高度経済成長期に建設された構造物が多いため老朽化が進み、間もなく耐用年数を迎える。近い将来、大量更新の必要性が懸念され、施設に掛かる維持管理費用の増大などの課題も抱えている。
 そこで、県では橋守の導入・試行などにより、限られた予算で最適な維持管理を行うことで施設の長寿命化を図り、維持管理コストの低減と更新時期の平準化を進める。

建通新聞社 静岡支社