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建通新聞社(静岡)
2010/07/26

【静岡】静岡県=医大新設の候補地は県東部地区、誘致の軸は私立大学、約10fの設置面積を想定

 静岡県は、県内への医科大学新設について、私立大学を誘致候補の軸に据えつつ、県東部地区への設置を検討する。国が今後示す医学部設置方針の動向を見据えながら、設置主体や整備手法など設置の可能性を探る考えだ。設置面積については県立高校の約2倍に当たる10fを想定。県議会6月定例会で川勝平太知事は「すでに、複数の大学や病院関係者との間で話し合った」ことを明かした。現在、国が凍結している医大の新設が許可された場合、県では設置に向けて速やかに対応する。
 現在、国では事実上、「医師過剰」を理由に医大の新設を認めていない。私立大学は1974年、国公立大学は79年を最後に医学部・医科単科大学が設立されていない状況だ。県内の医大は、浜松医科大学(浜松市東区半田山1ノ20ノ1)のみ。
 しかし、厚生労働省が現在、必要医師数の実態調査を進めている。この調査結果を踏まえて、国が「医師不足問題にどのように対処するのか」を検討。医学部の新設についても、文部科学省が何らかの方針を示す予定だ。
 県では「県内の医師不足は深刻。抜本的な問題の解消に向けて医師の養成機関は必要」(川勝知事)と位置付けている。そのため、文科省が示す方針の中で、医大設置が解禁となった場合、速やかに誘致・設置に向けた調整を進める考えだ。
 川勝知事は、具体的な地名には触れなかったものの「候補地要件の一つである、面積10fを上回る用地を数カ所視察した」ほか、ある私立大学のトップ(学長)とも話し合いを持ったことを明かした。また、設置場所には、教員の通勤・通学利便性を考慮し「駅に近く、誘致によってまちのにぎわいが創出される地区が望ましい」との見解を示した。
 一方で、医学部への併設が義務付けられる付属病院の設置場所や、県内各圏域ごとに定められている病床数の調整など課題も多く抱える。
 県では今後、国が明示する医師養成方針に沿って、設置主体や大学病院の設置場所など具体的な方策を探っていく考えだ。

建通新聞社 静岡支社