トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設タイムズ社
2010/08/10

【千葉】「意見交換会及び技術交流会」開く/千葉市コンサル協会が千葉市と CPDの確認や管更生の現状と課題など

  千葉市建設コンサルタント協会(野村茂樹会長)は10日、千葉市中央コミュニティセンターにおいて「2010年度千葉市との意見交換会並びに技術交流会」を開き、協会と千葉市双方から総勢65人が出席した。
 この日は午前と午後の2部構成で行われ、午前の部では、千葉市建設局とによる@千葉市土木標準図集改訂に伴う合同協議ACPDについての確認。午後の部では、千葉市下水道局とによる@これからの下水道管路のあり方A管更生の現状と課題B管更生・改築推進工事の施工例と今後の課題及び対策C改築推進工法の施工例と概要D再構築工事における施工時の仮排水施工例――をテーマに進行。
 午前の部の冒頭であいさつした野村会長=写真中央=は、同協会が創設して今年で10年目にあたることと、この意見交換会が10回目を数えることに言及。「当初は担当者レベルの技術的な意見交換会として、かなり細かい部分で意見を言い合い、険悪なムードになることも多々あった」としたうえで、「しかし、この10年の中で除々に改善され、今では千葉市の技術担当の皆さんと私どもとが、より良き千葉市の道路・建設行政において協調しながら、前向きな意見が交わせる関係になってきたと思う」と弁。
 この日の意見交換会及び技術交流会については、「双方にとって実のあるものになることを願っている」と述べ、あいさつに代えた。
 一方、千葉市を代表してあいさつした建設局土木部技術管理課の槌谷和己課長=写真左=は、「本市では現在446の橋梁を管理しているが、中でも昭和50年代に建設された橋梁が多く、20年後には建設後50年を超える橋梁が約半数に達する」との状況を説明し、「そこで本年5月には、従来の対処療法的維持管理から短期間に大きな財政負担が生じないように、予防保全的維持管理へと転換する『千葉市橋梁長寿命化修繕計画』を策定した」と報告。
 今後の橋梁の維持管理について氏は、「この修繕計画に則り、橋梁点検業務を実施していくこととなるが、昨年度発注した点検業務の技術者は、(財)海洋架橋橋梁調査会の実施する橋梁点検技術研修会の修了済みであることを要件とした」とし、今後発注する業務においては、「引き続き要件となる可能性もあるので、これらの研修会に参加し、その時の準備と技術力の向上に努めて頂きたい」と要請。8.11
 さらに、「本日は市から、事業の最前線に立つ係長などが出席している。協会からの要望・意見などを聞いて、率直な意見交換をさせて頂きたい」と考えを示し、あいさつを結んだ。
 午後の部の冒頭で、改めてあいさつに立った野村会長は、「昨年までは下水道局と建設局に話題を分けて意見交換を行ってきたが、その間には私どもが持っている色々な疑問点などがあった一方、下水道局からも色々なご指摘を頂き、技術の向上に役立ててきた」と説明。
 また、「最近になってこの中身が少し変わってきた」とした氏は、「今では(官民双方が)一緒に勉強していくという会になりつつあると思う。そういった意味からも、本日は多くの専門家の先生を招いて勉強していきたい」と述べるとともに、「特にこれからの課題は、古くなった下水道管の再生・補正の問題や、集中豪雨などにおける雨水対策にあることから、今回はそういったテーマを十分に盛り込んだ」と説明し、あいさつとした。
 引き続き、千葉市下水道局を代表してあいさつした石原一雄・下水道計画課担当課長(兼)雨水企画室長=写真右=は、「我々の世代が下水道事業を振り返ると、管渠のいわゆる実施設計の発注規模が、年間10億円前後という平成10−15年度あたりがピークだったと思う。昨今の1億円に満たない実施設計をみると、ゲリラ豪雨対策や管渠の改築更新事業に除々にシフトしていき、委託費を増加させることが出来ればと感じている」と弁。
 一方、「旧下水道局の職員は、まだ、改築更新事業については経験がないことから、皆さんに色々教わらなければならない点も多々あると思う」とした氏は、「私自身も若い頃は、皆さんの先輩やここにいる皆さんから、『押すところ引くところ』という設計上のノウハウをレクチャーして頂いた。ここにいる若い職員も、これから下水道の設計や監督に携わっていくことから、この機会に皆さんとともに勉強させて頂きたい」と要請。
 他方、「我々には改築更新に関する設計や監督ノウハウが少ない」とした氏は、「皆さんが設計をする時に色々なリスクを考えると思う。それらを『コンサルタントがつくる施工計画書』というかたちで、市の職員と共有させて頂ければ、市職員の経験不足を補えるとともに、お互いの事務量を軽減させ、現場でも事故がなく、市民生活にも影響を少なく工事を完了させることが出来ることから、是非とも皆さんに検討して頂きたい」と要請し、あいさつを結んだ。

提供:日刊建設タイムズ