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建通新聞社(静岡)
2010/08/11

【静岡】県=設計VE、景観配慮などを重点的に推進、長寿命化や環境負荷低減などでより一層の生産性向上を

  静岡県は、2009年度から運用をスタートさせた「静岡県公共事業生産性向上推進プログラム」について、10年度には設計VEの促進や公共事業への景観配慮の仕組みづくり、空調設備の省エネルギー化などを重点的に進め、より一層生産性を向上させる考えだ。プログラム導入初年度の09年度の取り組みを検証した結果、全体的に「公共事業の生産性が向上した」と評価。13年度までの今後4カ年で、公共事業の生産性を向上させるため、土木施設の長寿命化による維持管理費の低減、施工品質の向上、環境負荷低減などに取り組む。
 プログラムでは、新技術の活用による「工事品質の確保」に加え、事業に伴うCO2排出抑制などの「環境負荷低減」、将来的な維持管理に必要な「長期負担の軽減」「事業執行の効率化」の四つの対策と、その実現に必要な16の施策を推進する。それぞれの対策を推進することで、工事の直接的コストと維持管理費など間接的コストを縮減しつつ、施工品質の確保を図る。
 9日に開かれた生産性向上推進委員会(委員長・森山誠二県交通基盤部長)の中では、10年度の重点取組方針などが示された。
 10年度の重点方針のうち、工事品質を向上させる対策として「設計VEの推進」「景観配慮の仕組みづくり」「県認定技術の事後評価の蓄積と活用」の3項目を挙げた。設計VEの実施によって、09年度には約26億8100万円のコスト縮減計画の提案を実現したため、10年度も引き続き取り組みを進める。
 環境負荷の軽減対策として、「庁舎などの照明、空調設備の省エネルギー化の推進」に取り組む。10年度には省エネ診断を県有5施設で実施し、機器の更新以外での省エネ化なども検討する。
 長期負担軽減対策の10年度重点方針では、「舗装・橋梁の長寿命化計画の策定と予防保全の推進」を盛り込んだ。09年度に策定した中長期管理計画に基づき、本格的な予防保全型の管理に移行させる。
 事業執行対策としては、「事業着手準備制度」「プロポーザル方式」を重点的に進める。09年度には20カ所で事業着手準備制度により地元との合意形成を実現。維持管理面で地元との協働活動が始まる地域もあり、10年度には12カ所の導入を計画している。
《09年度=22・7億の縮減》
 一方、プログラムに沿って取り組みを進めた結果、「09年度には22億7300万円の縮減効果があった」(県建設技術監理センター)と報告。新技術・新工法の活用や発生土のリサイクル活用、地籍調査で簡易な調査方法に変更したことなど、取り組み事例が紹介された。
 森山委員長は、社会資本の整備に当たって「コスト縮減とともに機能や耐久性、景観などコスト面以外にも重視すべき点は数多くある。品質とコストの最適化に重点を置きつつ、良質な社会資本を効率的に整備したい」と述べた。

建通新聞社 静岡支社