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北海道建設新聞社
2010/08/11

【北海道】幾春別川総合開発は検証へ−開発局の事業再評価 

 北海道開発局の事業審議委員会(委員長・加賀屋誠一北大大学院教授)が10日、札幌第1合同庁舎で開かれ、直轄河川改修5事業とダム2事業の再評価を行った。河川改修5事業と夕張シューパロダムについては、原案通り継続を妥当と判断し、幾春別川総合開発の2ダム(新桂沢、三笠ぽんべつ)に関しては、現在の転流工継続を妥当とし、今後、国交省の有識者会議が示す評価基準に沿って検証し、事業の進め方をあらためて判断する。
 今回再評価の対象となったのは、前回の再評価から3―5年が経過した石狩川、千歳川遊水地、沙流川、天塩川、留萌川の直轄河川改修5事業と、夕張シューパロ、幾春別川総合開発のダム2事業。事業の必要性や事業進ちょく、コスト縮減の取り組みなど3つの視点で評価した。
 7事業いずれも費用対便益(B/C)が1を上回り、事業の必要性なども変わらないことから妥当と判断。幾春別川総合開発については、新桂沢ダムの転流工事を継続し、国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が示す判断基準に沿って今後検証を進める。
 各事業の概要を見ると、石狩川改修のB/Cは3・6。2010年度から18年度までの総事業費には1310億円を見込んでいる。千歳川遊水地はB/Cが2・2。08年度から19年度までの期間に1010億円を投じる。11年度は晩翠地区と東の里地区、12年度は根志越地区と江別太地区に着工する計画となっている。
 また、沙流川のB/Cは12・8。10年度から16年度までの事業費には49億円を見込み、天塩川についてはB/Cが1・6。10―17年度の間に事業費169億円を試算。留萌川はB/Cが2・9で、10年度から18年度までの総事業費に69億円を見込んでいる。
 夕張シューパロダムは、基礎掘削の際の岩盤対策や骨材掘削量の変更などにより前回再評価時点(05年度)から総事業費が230億円増の1700億円となり、工期についても、打設厚の変更などにより12年度から14年度に2年延伸した。B/Cは2で、進ちょく率は66%。このうちダム本体は35%となっている。
 幾春別川総合開発のB/Cは1・2。総事業費は1015億円で、事業全体では49.5%、ダム本体では2ダムとも約40%の進ちょく率に達している。