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北海道建設新聞社
2010/09/14

【北海道】道が東京事務所改築へ−定期借地権設け事業者公募 

 道は、老朽化が進んでいる東京事務所の改築方針を固めた。現在の敷地に定期借地権を設定して民間事業者に貸し付け、事業者が建設する賃貸ビル内に入居する。早期に事業を進めるため、2010年度内に一般公募型プロポーザルで事業者を公募。11年度に事業者を決め、13年度に竣工するというスケジュールを想定している。
 道の東京事務所は、1962年11月、東京都千代田区永田町2丁目27に建てられた。RC造、地下2地上4階建て、延べ1873m²。敷地の実容積率は431%で、最大、延べ6000m²の建物が建てられるが、現庁舎では135%しか使われていない。老朽化により耐震性の懸念もあり、職員数の減少で未利用スペースが増えていることから、道では早期改築を目指し、実施時期を探っていた。
 整備手法について、道が設置した道有財産有効活用懇談会は08年度に、土地を売却せず、北海道関連企業が入居する信託方式によるオフィスビルとして有効活用するよう提言。道では提言を基に、好立地の土地を保有しながら活用する方法として、PFIや、定期借地権方式も視野に入れて検討。最終的に、よりリスクが少なく、安定した財政効果が得られる事業手法として、定期借地権方式を採用することにし、13日の道議会総務常任委員会で報告した。
 懇談会が提言した信託方式を却下した理由として、道は「多額の信託配当が得られる可能性もあるが、稼働率が落ちると、事務所運営に必要な経費を賄うことができなくなるリスクもある」と説明。収支試算の結果、定期借地権方式の場合、長期的に安定した地代収入によって、東京事務所に必要な経費を賄うことができると指摘した。
 現時点の想定スケジュールは、10年度内に事業者選定委員会を設置し、公募条件を整えて公告する。選定基準では、提案者の資力信用や同種事業の経験、経営の安定性を盛り込み、事業計画の収支や、安定性、確実性についても審査する。事業者の決定と事業着手は11年度。協定書には地代収入リスクを減らすため、入居者の条件や地代の定期的な見直しなどを盛り込む予定。本体着工は12年度を見込む。
 東京都内の公有地で定期借地権方式によって施設整備をしたものとしては、奈良県が同県出身者のための学生寮を改築し、ことし3月に完成した事例がある。