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日刊建設タイムズ社
2010/09/27

【千葉】「総合評価セミナー」に延べ242人/建設業協会と技士会が共催 千葉会場71人を最後に全7回を終了

(社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)と千葉県土木施工管理技士会(宮村良典会長)は共催で27日、千葉市内のホテルポートプラザちばで総合評価方式の「施工計画のまとめ方」及び「工事評点アップ対策」セミナーを開催し、会員71人が受講した。
 「施工計画の書き方やまとめ方」及び「工事成績評点のアップ対策」は、国や県などで主流になりつつある総合評価落札方式の「課題」とされる。今回は、それらを主眼とするセミナーを「CPDS認定対象」とし、全7回(7会場)にわたり、7月から数支部合同で開催してきたもので、今回が最終回。全7回のセミナー受講者は延べ242人にのぼった。9.28
 これまでの日程及び受講者数の内訳は、初弾の銚子支部・八日市場支部合同(会場・銚子建設会館)が7月20日・21人、第2回目の長生支部・夷隅支部・山武支部合同(同・長生建設会館)が7月21日・23人、第3回目の館山支部・鴨川支部合同(同・館山建設会館)が8月26日・39人、第4回目の千葉支部・市原支部・君津支部合同(同・市原建設センター)が8月27日・27人、第5回目の北総支部・香取支部合同(同・北総建設会館)が9月6日・18人、第6回の京葉支部・東葛支部合同(同・東葛建設会館)が9月7日・43人で、第7回目の今回は、全支部及び受講希望者多数で溢れた会員を対象に行った。
 開催時間は、各会場とも午前3時間(9時〜正午)と午後3時間(13時〜16時)で、午前の「簡易な施工計画はどうまとめるか」のテーマは、総合評価支援センターの永妻勝義・CVS=写真左=、午後の「工事評点のアップ対策について」のテーマは、潟純Cズの福澤直樹・代表取締役社長と荻原隆仁・取締役営業部長=写真右=が担当。
  「簡易な施工計画はどうまとめるか」 総合評価支援センター
 午前の部の永妻氏による「簡易な施工計画はどうまとめるか」の講義では、@総合評価方式対応のポイントA関東地方整備局及び千葉県の制度の骨組みB工程管理、品質管理、施工上の課題、安全管理などのまとめ方C事例研究――に大別。
 総合評価方式対応のポイントとしては、@現場を見る目A履行確認できる提案――を指摘。履行の確認ができることを「A」、その現場での工夫や気配りがあることを「B」とし、「A+B=提案」と定義した。
 「施工計画書の書き方」は、提案は「ベスト5」の5項目とし、「重要度順に書く」ことを強調。東北地方整備局では、実際に重要度順に書くことが指示されていることに言及した氏は、「審査の序列にするつもりだろうが、もし自分が審査する側ならば同じことをする」とし、「関東地方整備局ではそうは言ってないが、そうした方が良いと思う」とアドバイス。
 「技術力」については、「高度な技術」「専門的知識」「学問的」「学術書」「理論式」「新しい技術」「特許工法」「規格値のアップ」などではなく、@その現場での施工上の問題点を見つけ出す力Aその現場での気配り、ちょっとした工夫をする力――のことで、「技術力」の正体は、ほとんどが既存の技術や知識で対応できるものであり、ここでは「新技術」が問われているのではなく「知恵くらべ」だとした。
 また、「現場調査が基本」とする氏は、「チームで知恵を出して現場改善策をつくる」ことを提案。まず、3〜5人程度のチームを編成して現場調査を行い、15〜20か所の問題点を探し出して写真に撮る。次に、それをもとに部課長・役員らと提案項目を5か所に絞り込む拡大検討会議を開き、その5か所の内容を文書化して発注者に提出するというもの。
 ほとんどの会社は、担当者が一人で問題点を探しているのが現状から、ここで氏は、「チームにより『絞り込んだ』5つと、一人の担当者が『絞り出した』5つの違い」を指摘。
 「ここで問われていること」として氏は、「この現場のどこでどのような事態が予想されるかの手を打つ具体的な提案。それを箇条書きでわかりやすく書くのが『簡易な施工計画』であり、技術論文でも現場と関係ない新技術でもない」と弁。
 さらに、技術力をまとめる3つのポイントとして氏は、@社会的コストを減らす提案を出すA仕様書を超えるのが「技術力」B具体的に書く――を指摘。@は、住民の不満を先手でなくすことが、現場の周辺に対する配慮、思いやり、気づかいとなり、工期短縮はそのための有効な手立て。Aは、高度な技術や規格値を高くすることではなく、仕様書に書いていない「その現場特有の工夫や改善、気配り」を重視。Bとして施工計画書は、工事検査員(監督職員)が判断できるよう、現場での気配り・工夫を具体的に書くとし、履行の確認が出来ること、社内で事前チェックする仕組みをつくることも大事だとと説く。
 一方で氏は、「徹底する」「周知徹底を図る」「できるだけ」「極力」「適切に」「丁寧に施工する」「十分に」「しっかり」「状況に応じて」「監督員との協議により」「標準仕様書等に基づき」などの『禁句は使わない』ことも強調した。
  「工事評点のアップ対策について」 ワイズ
 引き続き、潟純Cズによる午後の部の「工事評点のアップ対策について」では、まず、全国の工事評点や総合評価で問われる指標の傾向の変化について解説後、総合評価方式入札制度を活かして受注を増やしている実例を紹介。次に、千葉県発注工事の工事成績評定点算出方法について解説し、検査員等がどの評価を付けたのか実習形式で逆算演習。
 また、項目別評点でどの項目が重要なのか、千葉県の工事成績評定計算をもとに考察し、自社の項目別の得点率を考察。さらに、検査で使われる考査項目とその評価基準を実習形式で演習した。

提供:日刊建設タイムズ