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日本工業経済新聞社(茨城)
2010/09/28

【茨城】30日に公募設計入札 中国木材らのラミナ製材工場 年内工事発注へ 宮の郷木材事業協同組合

 「宮の郷木材事業協同組合」は、宮の郷工業団地内(常陸大宮市)に建設する集成材用ラミナ製材工場の設計入札を今月30日に開札する(弊紙18日付に公告内容、中国木材ホームページに公告文)。この設計を60日でまとめた後、年内にも工事発注し、本体工事への作業に移りたい考えだ。総事業費約15億円で、うち建物5億数千万円、設備9億数千万円。
 この施設は、県産材などの杉ラミナと米松ラミナを合わせて作る集成材(ハイブリッドビーム)のうち、杉ラミナの部分を製材する施設。林内に放置されている曲がり材などのB、C材を製材工場で板状にして集成材工場へ供給する。
 また製材の過程で発生する端材(チップ)を、パルプ工場などへ供給し、木質系ボイラーの燃料として有効利用する予定。
 場所は、宮の郷工業団地(常陸大宮市)の画地14。先行して画地13で建設が進む原木市場(県森林組合連合会)と木材乾燥施設(八溝多賀木材乾燥協同組合)の隣接地。周辺では、プレカット加工施設の計画が「もっくりん協同組合」で進む。
 「宮の郷木材事業協同組合」の事業計画によれば、工場は画地14の敷地6万2000uのうち、3万uをリースで取得し、その場所に延床面積6600uの施設1棟を建設予定。
 施設は、原木製材等ライン、製材工場等建屋、付帯施設の整備を計画。
 主要製材設備は、ツイン台車、シングル台車、ツインオート(曲り挽き対応)、ツインセンター、ツインリップ、ビーンソーター、フォークリフトなど。
 今月17日に公告した設計の公募型競争入札内容によれば、業務内容は製材棟などの建築と造成工事に伴う実施設計と監理の一式。予定価格は税抜き1760万円。設計は60日間で、監理は工事完了まで。
 参加条件は、15年以内に主たる構造がW造の同種・類似の建物(1契約で延べ600u以上、改修工事設計業務を除く)の元請実績。基本設計のみは除く。県北農林または県央農林管内に本店、支店、営業所など。
 総事業費15億7520万円の資金として、全体の10分の7に当たる10億4870万円を国・県の補助金でまかなうほか、10分の2・6に当たる約3億9000万円を銀行借入、10分の0・4に当たる約6000万円を自己資金で計画。
 補助の内訳は、国費が7億4860万円、県費が3億10万円。国費の財源は森林・林業・木材産業づくり交付金、県費は森林湖沼環境基金(5050万円)と森林整備担い手対策基金(2億5005万円)。
 生産目標は原木使用量が月当たり1万立方m(2シフト)で、ラミナ生産量が月当たり5000立方m。ただ、初年度の原木は5000立方m(1シフト)で計画。
 土地リース契約はこれからで、県では秋ごろになるのではと見込んでいる。
 なお、関連する原木市場の建築は渇ェ部工務店、外構は鰹H山工務店、木材乾燥施設の建築は叶川建設、外構は兜ミ岡組。9月末には原木市場、10月末には木材乾燥施設が完成予定。


提供:日本工業経済新聞