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建通新聞社四国
2010/12/07

【愛媛】宇和島道路など加速 地整の来年度概算要求

 国土交通省四国地方整備局は、2011年度の直轄事業計画(概算要求)の内容を愛媛県に通知した。道路事業では、事業進捗率が比較的高い国道56号宇和島道路(宇和島市)や、11年度中の供用を目指す国道33号三坂道路(松山市〜久万高原町)などの整備には10年度当初額を上回る事業費確保が見込まれている。一方、肱川と重信川の河川事業は10年度当初よりも事業費が減少する傾向に加え、大洲市の肱川で進められている山鳥坂ダム建設と鹿野川ダム改造では事業費計上の見通しが立っていない。同局は日程調整ができ次第、近日中にも中村時広新県知事へ説明する見通しだ。
 個別事業の予算については、実施計画段階での配分のため、事業進捗見込みは今後大幅に変動する可能性はあるが、県内の事業をみると、国道56号宇和島道路の11年度事業費見込みは19〜27億円程度(10年度当初は18億円)。三坂道路も11年度に供用予定で36〜39億円程度(同36億8500万円)と、10年度当初を上回る見通しだ。
 また、11年度に暫定2車線供用予定の四国横断自動車道(宇和島市〜西予市)は、29〜32億円程度(同53億9000万円)、国道33号松山外環状道路インター線(松山市)は32〜47億円程度(同48億5500万円)。全体事業費154億円を見込んでいる国道56号五十崎内子拡幅(内子町)は休止とした。
 このほか▽国道11号川之江三島バイパス(四国中央市)の0〜2億円程度(同1億1000万円)▽国道11号新居浜バイパス(新居浜市)の9〜16億円程度(同12億円)▽国道11号小松バイパス(西条市)の0〜1億円程度(同1000万円)▽国道56号松山外環状道路空港線(松山市)の0〜11億円程度(同3億8200万円)▽国道56号伊予インター関連(伊予市)の1〜7億円程度(同5億7900万円)▽国道196号今治道路(今治市)の3〜11億円程度(同10億4100万円)は、10年度並みでありながらも、事業費の幅が広く、流動的な印象を与える。
 一方、河川事業では、一般河川改修費として肱川で1〜11億円程度(同12億1290万円)、重信川で0〜3億円程度(同2億4130万円)の確保を見込んでいる。さらに重信川自然再生事業で0〜7000万円程度(同1億2590万円)、肱川の土地利用一体型水防災事業(大洲市大和地区)で0〜5億円程度(同5億6890万円)と、減少見込みになっている。その中、全体事業費12億円を見込む肱川かわまちづくりの0〜6000万円程度が新規事業として組み込まれた。
 ダム建設事業に関しては、国費計として対前年度比0・92程度を見込んでいる。11年度の個別ダム事業の予算額については、政府予算案の提出される年末や、実施計画が確定する年度末の各時点で判断され、検証対象となったダムについては引き続き「新たな段階に入らない」との方針を打ち出している。そのため、山鳥坂ダム建設と鹿野川ダム改造の11年度事業費確保も、難航が予想される。
 重信川水系(東温市)で進められている砂防事業も、400万円〜5億円(同3億6310万円)と事業費の幅が広く、不確定となっている。