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北海道建設新聞社
2011/01/17

【北海道】釧路市が愛国浄水場の更新で発注方式に5パターン検討中

 多くの施設で耐震強度不足が判明した愛国浄水場の更新に取り組む釧路市は、本体建て替えに向けて発注方法の検討を進めている。候補は従来方式、設計施工一括のデザインビルド(DB)、民間資金を活用するPFIなど5パターン。5月に完了する膜ろ過方式の実証実験結果を踏まえ、市議会にも諮りながら2011年末までの確定を目指す。
 愛国浄水場では、浄水施設本体とそれに組み込まれている管理棟、配水ポンプ室や、No.1からNo.4までの配水池など主要施設で耐震強度が不足していることが分かり、更新計画が動きだした。
 これまでの調査や検討では、現地更新で膜ろ過方式の採用が決定。敷地最南端の余剰地に配水池2基を新設した上で古い配水池3基を撤去し、そこに新しい本体施設を建設するという方向性を打ち出した。
 浄水設備を中心とする新しい本体施設に関しては、膜ろ過の形式を確定させるため、09年度から釧路川の原水を使った実証実験に着手。プラントメーカーら4社1共同体が浄水試験装置を場内に設置し、10年2月からデータ採取を始めた。
 採取期間は1年を見込んでいたが、10年の融雪期には水質の急激な変化でトラブルが発生したこともあり、5月まで延長し、融雪期の処理状況をもう1期確認することにした。
 形式により上屋の大きさや事業費などが変動するため、実験の終了を待って発注方法の選定に入る。遅くとも9月議会までには市の方針を示し、12月議会を経て発注方法を確定する方針だ。
 市は10年4月、愛国浄水場更新事業発注方法調査をドーコンに委託。この中で、@設計、施工を別途発注し、管理運営は直営を基本とする従来型A設計、施工は従来型だが、管理運営に包括委託を導入するB設計施工一括のDBCDBに管理運営も追加するDBO(デザインビルドオペレーション)D民間が資金調達して建設し、完成時に所有権は市に移転するものの、その後の管理運営も民間に任せるBTO方式のPFI―の5パターンを想定し、処理の安定性、経済性、地元企業活用の容易さなどを比較検討した。
 その結果、経済性を重視した場合はDBOやPFIの評価が高くなるが、安定性や地元企業活用などの面を重視すると、DB、DBO、従来型の評価が高くなることが分かった。
 水道整備課では「融雪期の処理をもう1期見てみないと何とも言えないが、釧路川を原水とする特殊性を考えると管理運営を全面的に任せることには不安がある」と話している。
 また釧路市は、09年度に中小企業基本条例を施行し、地場産材を用いた市民球場屋内練習場を整備するなど、域内循環向上や地域企業の活性化に努めているという側面もある。
 発注方法は、比較検討データを基に、これらの事情や市の財政負担などを踏まえて絞り込む。