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建設経済新聞社
2011/01/31

【京都】京都会館の再整備 総工費は約90億円と試算 WTO対象でPFIが濃厚か

外観整備イメージ(屋根形状の変更で舞台高さを確保)
 総工費が90億円程度と試算されている京都会館再整備について京都市はこのほど、基本計画策定に向けたパブリックコメントの募集を開始。市は2月24日まで受け付け、3月末にも基本計画を取りまとめていく模様だ。
 基本計画の策定後、23年度以降に取り掛かる基本設計については、京都会館の再整備に市は23年度予算で約9500万円を要求。4月頃に公募型プロポーザル方式での発注が見込まれる。
 事業手法について市は、DB(デザインビルド)手法やPFIなど検討を進めているにとどめているが、総工費が90億円程度となっていることからWTOの対象案件として発注を控えるため、市の財政状況を勘案し、民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねるPFI手法の採用が濃厚だ。
 整備のコンセプトとしては、▽市民に愛され交流の場となるホール▽室の高い舞台芸術や新たな文化創造の場として世界文化都市・京都を発信する「文化の殿堂」▽21世紀京都の新たな活力を創出する岡崎地域活性化の中心―の3つを再整備の考え方としている。
 同会館は、昭和35年竣工。京都市左京区岡崎最勝寺町13の敷地1万3167・50uに立地し、施設概要はRC造一部SRC造・S造地上4階地下1階塔屋1階、延1万4547・41u(建築面積7914・10u)。主にコンサートに使われてきた府内最大規模の第1ホールは、天井が低く、素早い舞台転換のため天井から多くの資材をつるすオペラやミュージカルには不向きで、老朽化も懸念されていた。
 これらを改善するため、整備内容は、現行の耐震基準に適合させることをはじめ、建物の長寿命化を図るとともに老朽化した舞台、音響、照明などの設備機器を更新。さらにエレベータを増設や建物のバリアフリー化を進めていく。