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北海道建設新聞社
2011/02/15

【北海道】豪雪対策へ財政措置を−衆院予算委地方公聴会で知事ら

 衆議院予算委員会による北海道地方公聴会が14日、ポールスター札幌で開かれ、高橋はるみ知事ら4人が意見陳述人として登場し、豪雪対策や交付金などについて、国の対策充実を求めた。特に豪雪対策に関しては、国による予算措置を要請するとともに、除排雪作業を担う建設業者の疲弊を指摘する意見が相次いだ。
 2011年度政府予算案が衆議院で審議されていることを受けて、自治体首長や産業界からの意見や要望を聴取することを目的に行われているもので、今回は豪雪による影響を踏まえて、北海道と福井県で開催された。
 この日の公聴会には、高橋知事と上田文雄札幌市長、北良治奈井江町長、飛田稔章北海道農業協同組合連合会会長の4人が意見陳述人として所感を述べ、同委員会の委員と意見交換した。
 この中で、豪雪対策に関して、4人とも局地的な豪雪が道民生活と経済に甚大な影響を与えていることを強調。具体的には「今後の状況によっては補正予算の編成が必要となる。特別交付税など財源面での措置を」(上田市長)、「除雪予算が大幅に削減されているが、命を支える幹線道路の除排雪はしっかりとお願いしたい」(北町長)―など、予算面での対応を求める声が出ていた。
 また、「業界の疲弊により、トラックの確保が非常に難しくなり、排雪作業への支障が懸念されている」(上田市長)、「スタッフ、機械ともに除排雪を担う建設業者の体力が落ち、企業が健全な経営を営める基盤がなくなってきている」(北町長)―など、公共事業費削減による建設企業の経営悪化が、除排雪作業に影響を与えている実態を指摘した。
 一方、高橋知事は、除雪体制について「(除雪を)それぞれの実施主体が連携して行うことが誰が考えても効率的だ。国を巻き込む形で展開することが、一つの地域主権のポイントとして議論いただければ、と考えている」と語った。
 公聴会終了後の記者会見では、理事の武正公一氏(民主党)が「福島や鳥取の年末年始の大雪で、国と県、市町村の連携が十分だったのか、という指摘がある。高橋知事も触れたが、こうしたことが良い意味での地域主権と地域分権であり、結果として北海道経済の活力につながっていくのではないか」と述べた。
 また、公共事業の削減が地域の建設業者を疲弊させ、除排雪作業に影響が出ている点について、中井洽委員長は「高齢化社会が進む中、豪雪や台風のときにどうするのか、という問題は以前から国会でも議論になっている。ことしこれが一番顕著に出た。今後の対応については委員会でも議論し、私どもも政府に対して大至急対応するよう申し上げていきたい」との考えを示した。
 このほか、一括交付金に関しては「一歩前進ということで評価するが、公共事業費が大きく減額される中、他にも使うことができると言われても、継続事業に充てるしかないのが現状だ。大幅な増額を望む」(高橋知事)と要望。TPP(環太平洋連携協定)への参加については「食料自給率や地域経済に劇的な変化をもたらす。米や小麦、砂糖や乳製品については例外扱いとすべきであり、十分時間をかけて国民の合意を形成することが不可欠だ」(飛田会長)など、反対と慎重を求める意見が強く出された。