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建通新聞社(静岡)
2011/02/25

【静岡】静岡県 新総合計画で本県の将来像示す

 川勝平太知事は23日、静岡県の中長期的な指針や将来像、今後の施策の方向性などを示す、新しい総合計画「富国有徳の理想郷“ふじのくに”のグランド出デザイン」を公表した。今回は、2010年度からおおむね10年間の「基本構想」と、これを段階的に実現するために必要な当初4年間(10〜13年度)の具体的な取り組みを「基本計画」としてまとめた。構想内に示された戦略体系には、学校や病院などの耐震化、道路や河川などの改築・長寿命化による「災害に強い地域基盤の整備」を明記。このほかの戦略体系として、「陸・海・空の交通ネットワーク機能の拡充」「賑(にぎ)わいと潤いを生む都市空間の創造」「家・庭一体の住まいづくり」などを重点取組に挙げている。
 計画の基本理念として、川勝知事は総合計画のタイトル通り「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」を掲げた。有徳の人材を育て、物心ともに豊かな社会を築き、地域主権に向けて自立の基礎を固めることで、「住んでよし訪れてよし」「生んでよし育ててよし」「学んでよし働いてよし」の理想郷の実現を目指す考え。
 今回示された戦略体系の主な項目として、「災害に強い地域基盤を整備」を挙げている。「減災」の考えに基づいたハード・ソフトが一体となった基盤整備の重要性に着目。公共施設の耐震化や長寿命化をより一層進める一方で、効率的な維持管理にも取り組む。
 さらに、「陸・海・空の交通ネットワーク機能の拡充」では、新東名高速道路をはじめとする高規格幹線道路や地域高規格道路の整備に加え、清水港、田子の浦港、御前崎港を一体的にとらえた「駿河湾港」の整備、富士山静岡空港の機能強化を明記。交通手段が相互に連携する交通ネットワークの構築に着手する。
 「賑わいと潤いを生む都市空間の創造」では、都市機能の集積を強調。集約型で暮らしやすい市街地の形成を図るとともに、人々が集う緑の空間やレクリエーションの場を整える。
 「家・庭一体の住まいづくり」では、本格的な人口減少が見込まれる中で、より多くの人を惹(ひ)きつけ、人を呼び込み、定住者を増やすために、住まいの快適性を追求。少ない負担で快適な住空間を享受できるよう、「所有から利用へ」という考え方を新たな生活スタイルとして提案し、実現への条件を整える考えだ。 

建通新聞社 静岡支社