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建通新聞社
2011/03/29

【大阪】近畿運輸局 なにわ筋線の費用便益 JR難波・南海難波駅ルートのノンストップが最高値

 国土交通省近畿運輸局は、新大阪駅と関西国際空港を結ぶ「なにわ筋線」の整備構想について、2010年度の調査結果を明らかにした。費用便益分析(B/C)では、JR難波・南海難波駅ルートの中間駅ノンストップケースが最も高い。今後の課題は、@他路線との相乗効果Aコスト縮減B関空アクセス時間の短縮B南海難波地区の駅設置C広域的な整備効果−などとし、11年度以降に調査する。
 なにわ筋線(約10km)は、なにわ筋の地下を南北に貫通する新たな鉄道。新大阪駅から「JR難波・南海難波駅」または「JR難波・南海汐見橋駅」の2ルートで検討が進む。中間駅は、東海道線支線地下化事業で新設される北梅田駅など6カ所を想定している。
 09年度に@整備の意義・性格A技術的実現性の検討B概算事業費の算定C整備効果−を検証。10年度はこれを基にB/Cなどを検証した。
 この結果、基本的な試算ケースのB/Cは、『JR難波・南海難波駅ルート』の「全駅停車ケース」(概算建設費約3,200億円)で1.24。「ノンストップケース」(概算建設費約1,900億円)で1.80。「ノンストップ複合ケース」(概算建設費約3,200億円)で1.31。『JR難波・南海汐見橋駅ルート』の「全駅停車ケース」(概算建設費約3,900億円)で0.76。「ノンストップケース」(概算建設費約2,600億円)で1.03。「ノンストップ複合ケース」(概算建設費約3,900億円)で0.91−となった。全体的に『JR難波・南海難波駅ルート』の優位性が目立つ。
 このほか、2020年度以降の関空の航空需要が20%増加すると仮定した場合や、北梅田〜関空駅間の所要時間が短縮した場合のB/Cの追加試算も行い、『JR難波・南海難波駅ルート』の「ノンストップケース」が最高値の1.94となった。
 大阪府の橋下徹知事は、「関空へのアクセスは高速鉄道(リニアなど)が必要」と主張しており、時間短縮の効果を証明する形となった。