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福島建設工業新聞社
2011/03/30

【福島】建築物相談室を開設/県建築士事務所・耐震化・リフォーム協会

 東日本大震災による被災建築物の応急危険度判定がピークを迎え、次の段階へと進みつつある。13日の時点では市町村から要請があった分だけで約5000件を予定していたが、2週間が経ち実施件数は1万件超と2倍に達している。国土交通省が発表した応急危険度判定状況(速報値)によると、28日午前9時現在、本県では延べ1034人が1万292件を調査。うち「危険」と判断されたものは2261件となった。県によると、今週中で当初分は終了する見通し。
 応急危険度判定により施設が判断されても、多くの一般県民はその後の対応に苦慮しているのが実情。判定の対象とならなかった住宅についても、希望する場合は市町村を通じて判定を要請できるが、これも一般に浸透しているとはいい難く、応急危険度判定と貸付や融資などに必要な、市町村が行う「罹災証明」と混同しているケースもあり、住宅や建築物全般に対する相談窓口が求められている。
 こうした声に対応しようと、県建築士事務所協会(田畑光三会長)はまず、14日付で協会内に田畑会長を本部長、各支部長を副本部長とする災害対策本部を設置。情報収集と行政・関係各機関との調整、要請に協力・支援することとしている。この一環で「地震被災建築物相談室」を設け、被災した住宅・建築物について応急危険度判定後から復旧までの相談に応じている。
 本部と各支部を窓口とし電話、メール、来所による相談に無料で対応する。相談を受ける側がまちまちの対応とならないよう対応のためのフローも作成した。まず、応急危険度判定を受けていない場合は、市町村の窓口を紹介する。受けている場合は、住宅が昭和56年以前の、新耐震基準によらない住宅であれば、23年度の市町村耐震化補助の活用も勧める。修繕・リフォームに耐震補強工事も合わせて行う場合など、相談する側に立った対応を行っていく。一般住宅だけでなく、事務所などの非住宅や、市町村の公共施設にも対応する考えだ。同様に、県耐震化・リフォーム等推進協議会でも相談を受け付けている。
 県建築士事務所協会と県耐震化・リフォーム等推進協議会には、相談窓口立ち上げ以前の震災翌日から、28日までに61件もの相談が寄せられた。多くは応急危険度判定で「危険」と判断された住宅のその後の対応だが、事務所や工場、医療施設といった非住宅の応急危険度判定が十数件あり、瓦などの修理のための業者紹介依頼もあるという。