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建設経済新聞社
2011/04/18

【京都】木津川市内で大型事業始動 国道163号〜木津中央の南北軸 木津川に架橋 JR跨線橋も

木津川市山城町上狛洞ヶ谷の架橋予定地付近(京都府)
 京都府は、JR木津駅の東側で開発が進む新市街地「木津中央地区」と国道163号とを接続する道路の新設事業を計画している。木津川を横断する橋梁やJRをまたぐ橋梁を含む大型事業が本格始動する。
 現在、木津川を横断する国道24号泉大橋(383・6m)に交通が集中しており、防災上の観点から緊急時の代替ルートとして、木津川を横断する橋梁を計画。木津川横断後は、独立行政法人都市再生機構(UR)が木津駅東側で進める木津中央特定土地区画整理事業(245・7f)で誕生する新市街地「木津中央地区」の北側まで道路を南伸し、国道163号と木津中央地区とを接続。国道163号から木津中央地区へ直接アクセスできるようになり、宅地開発や企業誘致などを促進させ木津川市の計画的なまちづくりを支援する。17年の交通量調査によると、国道163号[上狛]は平日24時間で1万5322台(休日24時間で1万5028台)で、山城南土木事務所管内では国道24号に次ぐトップクラスの交通量のため、バイパスルートの整備で慢性的な渋滞の解消もねらう。
 架橋場所は国道24号泉大橋から東へ約1q、府立山城郷土資料館からは西へ約350mの位置。国道163号の木津川市山城町上狛洞ヶ谷付近で架橋し、一級河川木津川を横断。その後は主要地方道天理木津加茂線と交差し、JR関西本線を橋梁でまたぎ、同市木津東小林付近に至るルートをとる。
 総延長は1430m。幅員は11mから16m。車道3・25m(2車線で7・5m)、歩道3m(両側歩道で6m)、路肩0・75m(両側で1・5m)、街路樹帯1m(両側で2m)の合計16m。橋梁部は木津川横断部が幅員11m、関西本線跨線部が幅員14・5m。
 23年度は測量や予備設計などに着手し、河川管理者や鉄道事業者との協議も進める。今後着手する予備設計とその後に行う詳細設計で概要が決まるが、木津川横断橋は橋長が約395m前後となる予定。設計条件は、▽橋梁形式…鋼7径間連続箱桁橋▽基礎形式…杭基礎・直接基礎▽下部工形式…逆T式橋台・壁式橋脚。
 関西本線跨線橋は橋長が約164m前後となる予定。設計条件は、▽橋梁形式…3径間連続鋼床版箱桁橋(鋼2径間連続鈑桁橋+単純鋼床版箱桁橋)▽基礎形式…杭基礎・場所打ち杭▽下部工形式…逆T式橋台・壁式橋脚。新設道路と交差する主要地方道天理加茂木津線では道路改良を行う。改良区間の延長は75m。幅員は12mで、車道3m(2車線で6m)、歩道2・5m(両側で5m)、路肩0・5m(両側で1m)。交差部付近で大井手川を横断する橋梁を設置する。
 総事業費は61億円を予定。半分は国庫補助となる。事業期間は31年3月末までを目指す。

近畿地整は東西軸を整備
大谷交差点〜JR跨線橋〜木津中央

 一方、近畿地方整備局は木津中央地区と国道大谷交差点との間を接続する道路、木津東バイパスを計画。今年1月、事業化にGOサインが出たため23年度に事業費5000万円を予算化、測量調査などに着手する。
 木津川市木津天神山〜同市木津馬場南の延長600mが事業区間。幅員は16mで、車道3・25m(2車線で6・5m)、歩道4m(両側で8m)、路肩0・75m(両側1・5m)。
 国道24号と国道163号の重複区間である大谷交差点から東へ道路を延伸する計画。重複区間の交通量は平日24時間で2万1697台あるが、バイパスルートの新設で1万1900台の交通量をさばき、交通渋滞を緩和させる。
 大谷交差点から東へ延伸後、京都府登録文化財の岡田国神社の南西側付近でJR関西本線を橋梁(橋長約23m〜約33mを予定、幅員16m)によりまたぎ、その後、天神山を通過し木津中央地区に至るルートとなる。全体事業費は約15億円を見込む。