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北海道建設新聞社
2011/04/18

【北海道】北海道工業大学が体育館建て替えへ−地中熱など活用 

 学校法人北海道尚志学園(札幌市豊平区中の島2条6丁目2の1、西安信理事長)は、道工大の体育館を建て替える。地中熱などを活用して、CO2の排出量削減などをテーマにしたエコ体育館とし、さまざまなデータ収集にも活用する。実施設計と施工を清水建設に依頼し、5月にも着手する。
 現体育館の老朽化が著しいほか、耐震性の確保や狭あい化解消に向け、札幌市手稲区前田7条15丁目4にある同大第1駐車場のスペースを使って建て替える。
 新体育館はRC一部S造、3階、延べ約5900m²の規模で、建築確認申請中。現体育館の倍以上の大きさとなる。同大OBが所属する設計事務所4社で構成する、北海道工業大学新体育館設計共同体が基本設計を進めた。
 バスケットボールコート2面が取れるメーンアリーナを中心に、クラブハウスやトレーニングジム、サブアリーナなどが3方から取り囲む施設配置。3方の建築群からはガラス張りのボックスが突き出て、メーンアリーナでの試合や練習風景を眺めることができる。
 プロジェクトの中心を担っている建築学科の佐藤孝教授は「メーンアリーナを広場に見立て、ヨーロッパの街並みのように周りの建物から広場を眺めるイメージ。『練習を頑張っているな』とか、学生間の良いコミュニケーションにつながる」と話す。
 また「メーンアリーナは12・5mの天井高があり、これだけの空間を暖めるには相当のエネルギーが必要だが、建築物が取り囲むことで熱エネルギーが安定する」と狙いを説く。
 エコエネルギーへの取り組みでは、地下80mまで採熱用の井戸を掘って得た地中熱を利用。寒さが厳しい時には天然ガスボイラで補助し、石油は使わない。太陽光パネルは降雪を考慮して外壁にに貼り付け、冬季は雪で反射した光を取り込む。
 2012年2月に完成し、3月から備品を搬入。4月に供用開始する。佐藤教授は「初めてに近いチャレンジもある。完成後には、シミュレーションに対する総合的なデータ分析が始まる。どのくらいの数値が出るか期待したい」と話している。