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北海道建設新聞社
2011/04/20

【北海道】豊平川下流雁来地区で大規模河道掘削着手へ−札幌開建 

 札幌開建は、2011年度から豊平川下流の雁来地区で大規模な河道掘削に着手する。7`にわたり両岸の高水敷を切り下げ、河道の断面積を拡大することで流下能力を高める。初年度は、12年度以降に施工予定の区間を真空圧密工法で圧密・排水する準備工に入る。初弾工事は工期6カ月を見込み、7月以降に入札する予定だ。全体掘削土量が約167万m³にも上ると見積もられている大型事業がいよいよ動きだす。
 事業区間は石狩川合流部から国道275号雁来大橋まで。06年度に策定した豊平川河川整備計画では、この区間の計画高水流量を毎秒2000―2600m³と設定し、厚別川下流部とともに河道掘削を盛り込んだ。
 計画では全区間にわたり両岸の高水敷を河岸から最大で50m程度平水時の水位近くまで掘り下げ、流下断面を拡大する。札幌開建札幌河川事務所は「河岸に湿地環境を形成させ動植物の生態系に配慮する」とし、自然環境を重視した河川整備を進める方針だ。
 11年度は、次年度以降に掘削予定の区間に多数のドレーンを埋め込み、真空ポンプで地中の水を吸引する真空圧密工法を用いて、土層を圧密し排水と地盤沈下を促す。
 一帯は、泥炭層が広がる軟弱地盤。含水率の高い土の減量と施工コスト縮減を目指し、掘削の前段として同工法を施す。圧密することで、土中に含まれるヒ素などの有害物質の流出を防ぐ狙いもある。初年度は、江別市角山の右岸300mでの実施を予定している。
 同事務所は、掘削土の処理が大きな課題と指摘。札幌開建が検討を進める泥炭の利活用方法の調査結果などを踏まえて、同様に多量の掘削土が見込まれる千歳川遊水地整備などと併せて処理法を探っていく考えだ。