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建通新聞社
2011/04/21

【大阪】大阪市立大学 次世代エネルギーの大規模研究施設 杉本キャンパスに計画 経産省の「技術の橋渡し拠点」整備事業採択目指す

 大阪市立大学は、民間企業と連携して次世代エネルギー研究開発プロジェクトを推進するため、大規模研究施設の設置を計画している。経済産業省の「技術の橋渡し拠点」整備事業の採択を申請中。採択されれば、建築計画に関する調査設計を開始する。
 大学では、神谷信夫教授らの研究グループが、光合成において光エネルギーを利用し、水を分解して酸素を発生させる反応の謎を解明した。太陽の光エネルギーを利用可能なエネルギーに変換する仕組みの解明につながるもので、環境問題やエネルギー問題の解決に貢献する画期的な成果と評価されている。技術が確立されれば、天然ガスに頼らず、二酸化炭素をもとに、太陽光によりメタノールを、大量生産することができる。原子力や化石燃料に頼らない新エネルギー開発への期待が大きい。2030年をめどに実用化を図る。
 この研究を加速させ、産学官の研究・開発体制を強化するために、大規模研究施設の設置を検討。「技術の橋渡し拠点」整備事業の採択により、事業費を調達したい考えだ。大阪市は、「設立団体として、大学の取り組みを積極的に支援する」としている。
 「技術の橋渡し拠点」整備事業は、先端的な研究開発に取り組む大学などと、その研究成果を活用する企業が、イノベーションを実現するための研究開発施設・設備を整備のに必要となる経費を補助する。@建築計画に関する調査・設計費A施設建築または改修に要する経費B機械装置の購入・据え付けなどに必要な経費−の3分2以内を補助する。補助額は3億円以上15億円以内。
 施設の建設予定地は大阪市住吉区の杉本キャンパス内。現地では理系学舎の整備事業が始まっており、採択されれば、新たな大規模研究施設の建設が並行して進むことになる。