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建通新聞社(静岡)
2011/04/27

【静岡】静岡県 連休明けに総点検へ 津波対策で

 静岡県は、「静岡県津波対策検討会議」(会長・小林佐登志県危機管理監)の4月15日の初会合の結果を踏まえ、海岸・港湾関連施設などの津波対策の総点検をゴールデンウイーク明けに開始する考えだ。きょう27日に設置する「ハード部会」に点検マニュアルを提示、これを基にハード面の対策を市町と共に総点検し、その結果に基づく短期的な対策を検討する。6月をめどに中間まとめを行い、緊急の取り組みが必要な事業の予算を6月補正で措置する。
 津波対策検討会議では、これまで進めてきた津波対策を見直す必要があるとの判断から、短期的な取り組みをすぐに進めることを決定。また、中長期的対策について、「国の中央防災会議が東海・東南海・南海の3連動地震の検討を11年度中に行う。この結果を踏まえ12年度以降、地震被害想定や津波対策施設、避難地・避難路などの見直しを検討する」との方向を示した。
 ハード面の短期的対策として実施するのが、▽海岸・港湾関連津波対策施設の連続性・高さ・耐震性・背後地の状況などの点検と、水門施設の操作状況などの点検▽避難路や緊急輸送路などの確保のための津波浸水想定区域内の道路・避難階段などの高さ・位置・耐久性などの現況把握と点検―など。対象範囲が海岸や港湾、漁港、河川など幅広いため、現場での作業を効果的・効率的に進められるようマニュアルを作成。これを基に総点検を行う。
 県内ではこれまでに、海岸・港湾関連の取り組みとして、津波対策の必要な県内の海岸線延長約280`のうち約9割で防波堤や陸閘(こう)の整備などの対応が完了しているほか、対策が必要な44河川のうち県所管の38河川の約5割、国直轄の6河川のほぼすべてで事業が完了している。
 今回の点検で、これらの取り組みの現状を総点検した上で、課題・問題点と対応を整理し、短期的対策と中長期的対策を検討する。
 一方、ソフト面では、▽津波避難計画(避難場所、避難ルート、避難施設、津波避難ビル)の点検と現状・改善点・対策の検討▽7月の津波避難訓練の5月への前倒し実施▽建物の耐震補強や家具などの固定の推進▽津波避難ビルの耐震性と耐浪性、高さの確認▽津波危険予想区域内の公共建築物の場所の確認と対策の検討▽東名高速道路や新幹線など基幹インフラが被災した場合の早期復旧に向けた緊急輸送路などの交通ネットワークと、各種団体と締結している災害協定の点検・整備―を行う方針。こちらも関係部局や市町との調整を行いながら点検を順次進める。 

建通新聞社 静岡支社