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建設経済新聞社
2011/05/25

【京都】新クリーンセンター建設事業 処理能力47t/日×2炉 焼却余熱利用を計画

 木津川市は、同市鹿背山地内に計画の新クリーンセンターについて、焼却に伴う熱エネルギーを回収・利用する機能を持たせる方針だ。
 同市の燃やすごみの処理は、木津川市と精華町で構成する一部事務組合の相楽郡西部塵埃処理組合の打越台環境センター(精華町北稲八間)で焼却している。昭和55年4月稼動で31年以上が経過し、施設の老朽化が進行。近年の宅地開発等による人口増加でごみ量も増加し、打越台環境センターの処理規模を上回った結果、緊急避難的にごみ処理を民間事業者に委託している。
 同市は、打越台環境センターに代わる新たなクリーンセンターの建設に向け、施設整備の基本方針を定めた。「安心・安全・安定した施設の性能確保」、「環境学習の学びの場等の確保」、「災害時における地域支援機能の確保」の3点。
 新クリーンセンターは、ダイオキシン対策、臭気や煙などの公害防止対策を講じるだけでなく、循環型社会形成推進施設として3R(Reduce減らす、Reuse繰り返し使う、Recycleリサイクル)の推進を行い、ごみの減量化を図るとともに、3Rの取り組みを行ってもなお残る燃やすごみについて新センターで焼却処分することとし、焼却処理で発生した熱エネルギーのサーマルリサイクル(回収・利用)を推進する。

造成は3万3000u
工場棟は3478u想定
 施設計画案によると、造成面積は3万3000u。施設用地として平地面積は2万u(標高55m)を確保する。建築面積は工場棟が3478u(47m×74m)、計量棟が48u(6m×8m)で合計3526uと想定する。
 新クリーンセンターは、一般廃棄物焼却施設で処理能力は94t/日(47t/日×2炉)。整備概要は、▽受入供給設備…ピット・アンド・クレーン方式▽燃焼設備…ストーカ式焼却炉▽燃焼ガス冷却設備…水噴射式又はボイラー式▽排ガス処理設備…有害ガス除去装置、バグフィルタ及び触媒反応▽通風設備…平衡通風方式▽余熱利用設備(複数選択)…白煙防止、空気余熱、場内給湯、発電▽灰出し設備…灰バンカ方式又はピット方式、ダスト固化装置。
 このほか排ガス条件は、▽煙突高さ…59m▽煙突グランドレベル…55m▽煙突頂部口径…1・0φ(m)▽排ガス温度…154℃▽排ガス速度…24・9m/s▽排ガス量(乾き)…3万9000m3N/h▽排ガス量(湿り)…4万5000m3N/h。※ストーカ式焼却炉、発電無、白煙防止有(発電装置の設置は今後検討)。
 新クリーンセンターは同市が建設し、維持管理・運営は相楽郡西部塵埃処理組合が行う。建設年度は平成28〜30年度と設定、稼動予定は30年度としているが、打越台環境センターの老朽化・損傷が相当進んでいることから、前倒しで28年度当初の稼動を目指す考え。
 同市は秋頃にも生活環境影響調査に着手し、約1年後の来秋までに完了させる考え。
 なお、新クリーンセンターに関連して同市は業務委託として、▽21年10月入札…木津川市クリーンセンター建設候補地に係る計画アセスメント(担当/日本気象協会)▽22年11月入札…木津川市クリーンセンター建設に係る生活環境影響調査計画書作成(担当/帝人エコサイエンス)▽22年11月入札…木津川市クリーンセンター建設に係る測量(担当/宝測量設計)▽22年11月入札…木津川市クリーンセンター建設に係る施設基本計画策定(担当/環境技術研究所)を実施している。