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北海道建設新聞社
2011/05/25

道路工事の安全対策強化へ−札幌市が事故多発で 

 札幌市建設局は、土木部が所管する2010年度の道路工事で墜落死亡事故が発生し、水道管などのインフラ損傷事故も多発したことを踏まえ、墜落とインフラ損傷に特化した安全チェック表を作り、関連現場の工事着手時に配布して安全対策の強化を促す考えだ。
 同部所管の道路系工事では10年度、09年度に比べ11件多い31件の事故が発生。軽微な事故も含めて報告するよう指導を改めた07年度以降、最も多い数字となった。特に11月と12月が各7件に上り、追い込み期の事故が目立つ。
 事故分類では、通行車両のタイヤが段差によりパンクしたといった物損事故が10件、水道管やガス管などの地下埋設物を切断するインフラ事故が9件、人身事故が7件など。人身事故はここ数年減少傾向にあるが、墜落事故が2件起き、このうち橋梁の塗装現場で1人が亡くなっている。
 インフラ事故については、9月に同部が注意喚起の通知文を出したもののその後も5件が発生し、トータルで09年度を4件上回る9件に上った。
 こうした事態を重く受け止め、同部工事安全管理委員会(委員長・安部孝幸道路工事担当部長)は、墜落とインフラ損傷の事故防止を11年度の重点目標に設定。
 具体的には2つの項目に特化し、地下埋設物の有無と、足場、安全帯の不備などを確認するための安全チェック表を作成する。6月以降着手する現場に配り、安全管理の徹底を図る。
 尾崎剛彦技術管理担当課長は「市民のための工事である以上、まずは安全第一。第三者に対する事故などはあってはならない」と注意を呼び掛けている。