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北海道建設新聞社
2011/06/07

【北海道】幕別町が役場庁舎改築へ−14年度着工想定し近く基本方針 

 幕別町は、役場庁舎を改築する方針を固めた。合併特例債を活用する考えで、利用期限である2015年度の完成を目指す。延べ6000m²と仮定した検討案では、概算工事費20億円超で工期2カ年を見込む。12年度基本設計、13年度実施設計、14年度着工を想定。近く基本方針をまとめ、第2回定例町議会で説明する考えだ。
 現庁舎はRC造、地下1地上5階塔屋3階、延べ3819m²の規模で、1972年の完成。築後約40年が経過し、給排水や暖房設備の機能が低下しているなど、全体的に老朽化が進んでいる。
 マグニチュード8・0、震度6弱を記録した03年9月の十勝沖地震では、1階ピロティの柱がせん断破壊するなどの構造的な被害を受けた。緊急補修を施したが、設計時の耐力まで回復していない。
 03年度に実施した耐震診断で、構造耐震指標(Is値)が最も低い階で0・17であることが判明。国土交通省が建築物の安全な目安として定めるIs値0・6を下回り、震度6強以上の大規模地震で倒壊か崩壊する危険性が高く、大規模な耐震改修が必要と判定された。
 10年度に耐震化検討の業務を委託。合わせて、部長職で組織する検討委員会を庁内に設け、議論を重ねてきた。
 「耐震改修」「一部を解体して増築」「改築」ごとに概算工事費を算出。耐震改修は11億―16億円、増築は17億円と試算した。改修、増築は改築よりも事業費を抑えられるが、耐用年数の8割近くが経過している状況では、長期の利用を見込めず、多額の費用に見合った効果を満足に得られないなどと判断。役場庁舎は災害時に防災拠点ともなるため、改築の方針を固めた。
 改築では延べ6000m²と仮定し、@RC造、3階の現地改築ARC造、4階の現地改築BRC造、3階の移転改築CRC造、5階の移転改築DW造、2階の移転改築―の5案を検討。概算工事費は22億―24億円とみている。
 町が改築の方針を固めたことを受け、町議会は17日付で調査特別委員会を設置する。第2回定例会開会中の22日までに、町は建設地などを盛り込んだ基本方針をまとめ、同特別委員会で説明する見通しだ。