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建通新聞社(神奈川)
2011/06/23

【神奈川】かながわソーラープロジェクト 第1次報告

 かながわソーラープロジェクトの推進に向けた検討を進めている学識者などによる「かながわソーラープロジェクト研究会」は21日、民間資金とノウハウを活用した「かながわソーラーバンク」(KSB)構想のスキームなど盛り込んだ第1次報告書をまとめた。同日、黒岩祐治知事に提出した。ソーラーパネルの一括調達による価格の低減や、一定の性能を保証するためのソーラーパネルの規格化などを提言。価格低減効果を検証するため、仕様や価格基準などを定めた上で、競争方式で設置事業者(パネルメーカーと窓口会社、販売代理店・施工者などから成る民間企業JV)を公募・選定し、実績に応じて補助金を支給する「モデル事業」を先行的に実施すべきだとした。これに対して県は、「年度内の実施を目指したい」と答えた。
 今国会に提出されている「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」。自然エネルギーの全量買い取り制度が示されたが、住宅用太陽光発電については、引き続き「余剰買い取りが適当」とされた。
 こうした経緯を踏まえ、報告書では「当面は買い取り期間内(10年間)の投資回収の実現は困難であり、10年後に一定の残債務が残ることは避けられない」とした。
 そこで、「当面は金融機関の協力を得て、既存のローンの仕組みを活用した事業スキームを検討し、実現に向けて取り組むことが適当」と判断。その場合でも、「設置者の経済的負担を軽減すため、ソーラーパネルの価格低下を促す具体的な仕組みづくりがポイントになる」との考え方を示した。
 価格を抑えるための方策の一つが「ソーラーパネルの一括調達」。一定期間を定めて、指定する代理店や工務店などに発注ロット(上限数)を決めて見積もりを徴集し、調達契約を結ぶ方法を例示した。
 さらに、ソーラーパネルの仕様・施工方法を規格化した「かながわモデル」を策定し、一括調達と合わせて価格低減効果を図るべきだとした。
 その上で、モデル事業の実施を提案。具体的にはまず、モデル事業を実施するエリアと設置予定件数を定め、仕様、価格基準などの要件を示して事業者(JV)を公募、選定(競争方式)。次に、事業者が実施地域で住宅への設置希望者を募集し、一括発注によってリーズナブルな価格でパネルを設置。設置者は、金融機関から低利ローンを受けて初期費用を一括で支払い、売電によって収入を得る仕組み。県は事業実績に基づいて事業者に補助金を支給。事業者は、一定期間、メンテナンスなどのアフターサービスを提供することとした。
 モデル事業は県と市町村が連携して行うが、県が主導的に先行して実施し、価格低減効果を検証するよう求めた。
 次回以降、「公共施設などへの設置促進」「メガソーラー発電所などの大規模太陽光発電の設置促進」について研究を進める。