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建設経済新聞社
2011/07/05

【京都】グリーンイノベーションの拠点 伏見区の阪高沿いに来春建設へ 規模はRC造6階建、延約6000u

 財団法人京都高度技術研究所(木壽一理事長、京都市下京区中堂寺南町134)が京都市伏見区の阪神高速道路沿いにグリーンイノベーション等の拠点施設を建設する。今後、関係機関と協議した上で設計を進め、24年4月頃の着工を目指す。
 京都高度技術研究所、京都市、京都大学の3者が連携し、経済産業省の22年度における先端技術実証・評価設備整備費等補助金「技術の橋渡し」拠点整備事業に申請していた「高機能性化学研究開発拠点(仮称)」の整備が1日採択された。
 「技術の橋渡し」拠点整備事業は、先端的な研究開発に取り組む大学、公的研究機関、企業等が集積しつつある地域で、大学、公的研究機関、企業等が共同体制で、研究から応用開発、製品試験等による産業化まで取り組む研究開発施設等の整備を支援する制度。補助対象経費は調査設計費や工事費、研究開発設備費で、補助額は2/3、上限は15億円。
 今回は、京都高度技術研究所が事業主体となり、京都市、京大と共同で取り組む「高機能性化学研究開発拠点(仮称)」の整備が採択された。事業総額は25億円程度を見込み、採択上限の15億円が採択された。
 事業概要によると、産学公連携による研究開発拠点を「らくなん進都」(南区・伏見区)内に、RC造6階建、延約6000uの研究拠点を建設する。研究プロジェクトを推し進め、付加価値の高い高機能性化学品の創出を通して日本発の「グリーン・イノベーション」(環境関連技術)と、「ライフ・イノベーション」(生活健康関連技術)を実現し、産業競争力の確保・新規事業の創出を図る。具体的には、京大と連携し、▽機能性ナノ材料の開発(有用な化学品を、低コスト・低エネルギーでクリーン生産するプロセスに繋がる日本オリジナルの多孔性配位高分子の技術を活用し、燃料電池用白金代替触媒材料等を開発)▽フェムト秒レーザーを用いた次世代材料プロセッシング技術による光、電子材料・部材等の開発(環境、エネルギー等広範な分野に適用可能な光学デバイス加工の高精度化、低コスト化に繋がる世界初のフェムト秒レーザーによる非熱三次元プロセッシング技術を活用し、全ての光源に代替可能な高機能LED用基盤等を開発▽チオレドキシン・ハイブリッド事業化プロジェクト(のどや胃の粘膜の炎症抑制、紫外線からの皮膚の保護やアレルギーの緩和等の効果がある、日本発の機能性タンパク質チオレドキシンを生かした機能性食品、化粧品、新薬等を開発)−。
 建設予定地は京都市伏見区治部町の約3000u(=写真=)で、京都市が高度集積地区に位置付ける「らくなん進都」内。建設予定地は油小路通及び阪神高速道路8号京都線沿いで、丹波橋通より南側に位置する。
 24年4月頃の着工を目指すことから、少なくとも今秋頃までには設計業者を決め、設計に着手する予定。着工後、25年3月頃の竣工を予定する。国の採択を受け、今後関係機関との協議を本格化させる。