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建通新聞社(静岡)
2011/07/06

【静岡】静岡県 川勝知事 地元建設業の存在が「地域の安心」に

 川勝平太知事は、道路や空港などの社会基盤と地元建設業の在り方について、「東日本大震災の復旧に果たした役割は極めて大きく決定的」「地元に建設業者がいるということが地域の安心につながる」との認識を明らかにし、東海地震に備える静岡県でも社会資本整備の着実な推進と地元建設業者が存続できる環境づくりが必要だとの考えを示した。1日に開かれた県議会6月定例会で深澤陽一氏(自民改革会議)の質問に答えた。
 建設業の活性化について質問した深澤氏は、公共事業をはじめとした建設投資の減少が、競争の激化と低価格受注の悪循環につながっていると指摘。「新分野への進出や得意な分野への事業の特化などの取り組みは容易でない」と述べた上で、地元建設業の役割をどのように考えるのか尋ねた。
 川勝知事は、公共投資をめぐる環境について「道路も無駄、空港も無駄と批判され、投資額が減り続ける“冬の時代”」と述べた上で、「東日本大震災では高速道路や空港が被災したが、迅速に機能を復旧したことで物資や人を運ぶことができた。それらの復旧やがれきの処理に当たったのが自衛隊や東北地方整備局など国の機関と地元建設業者であり、人・モノ・情報を円滑にするため社会基盤と建設業者の果たした役割は決定的(に重要)なもの」との認識を示した。
 さらに、大規模災害時に資機材とともに駆け付ける体制を整える地元建設業者の存在そのものが「地域の安心につながる」「建設業に対する見方をあらためつつある」とし、価格と技術力を総合的に評価して落札者を決める総合評価落札方式の拡大をはじめとした入札・契約制度の見直しなど、地元建設業者が存続していくことができる環境整備が重要だとした。 
(2011/7/6)
建通新聞社 静岡支社