建通新聞社(神奈川)
2011/07/08
【神奈川】神奈川県 林道・地山・緑地 地震防災機能強化へ
神奈川県環境農政局は、地震防災機能強化のための林道・治水施設、県有緑地など19カ所の整備費として、6月補正予算案に総額2億9215万4000円を計上した。横須賀三浦など5カ所の地域県政センターと自然環境保全センターで、7月から順次、一般競争入札で発注する(個所と事業量などは表参照)。
県有緑地は、法面防災防除工と防災機能強化のための調査設計費として3地区に計2060万6000円を充てた。鎌倉市の妙本寺・衣張山特別保存地区(鎌倉市浄明寺)には工事費を計上。がけ崩れと崩落防止を目的とした防護柵工などを予定している。極楽寺特別保存地区(鎌倉市極楽寺ほか)と、小網代近郊緑地保全地区(三浦市三崎町)の2カ所には、2013年度以降の工事に向けた調査設計費を盛り込んだ。
林道施設は神の川林道など8カ所が対象。うち、大山線(伊勢原市大山)は伊勢原市に対する補助で、いずれも工事費を計上した。林道の法面保全工として、落石防止を目的としたロックネットの設置や、防護柵工などを予定している。予算額は計1億0050万6000円。
治山施設には8カ所に工事費計1億7104万2000円を計上した。「山腹工」は、山腹斜面の崩壊地を土留め工によって安定化。このほか、落石防護柵やロックネットを施工する。谷止工は高さ5〜6b。渓岸の侵食・山脚の崩壊を防止するほか、渓床に堆積(たいせき)している不安定な土砂の下流への流出を防ぐ。
蛇骨川上流の「酒匂川〜静岡県境」(箱根町元箱根)は、山腹復旧に合わせた水処理工を実施。ボックスカルバート(暗渠)を道路下に敷設する。延長8・5b、内径1・5b程度となる見通し。