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北海道建設新聞社
2011/07/13

【北海道】ガソリン、6円幅で乱高下−4〜6月の道内石油製品価格 

 道内の2011年4―6月の石油製品価格は、ガソリンで最大6・2円の差が出る値動きとなり、乱高下が大きかった。1鹹当たり100j台を付けていた原油価格が、5月に入り急落するなどコスト変動が大きかったほか、収益基盤となる灯油商戦を終え、ガソリンスタンドの価格競争が再燃しているため。夏場の行楽需要から、足元のガソリン市況は局地的な価格競争が目立っているが、販売関係者からは「先行きの需給が締まると予想され、今後は堅調な値動きになるだろう」という声も根強い。
 4―6月の道内ガソリン価格は、原油など製品コストの上昇から4月25日で154・5円まで上がった。しかし、その後は原油相場の急落を受けて値下がりの展開が続き、6月6日で148・3円に下落。以降は、販売価格を見直す動きが各地で広がったため、再び上昇傾向を示した。
 石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーは、全国の系列特約店を対象にしたガソリン卸価格を4月で平均2・5円値上げしたものの、5月に1・7円値下げし、6月は据え置いた。出光興産や昭和シェル石油も、ほぼ同じ展開となっている。
 軽油市況も同様に推移した。4月25日の138・1円をピークに続落し、6月6日には131・9円までダウン。その後は、右肩上がりの展開が月末まで続いた。
 出光興産によると、軽油の卸価格は4月で3円上昇したが、5月は2・7円、6月は2・1円それぞれ値下げした。昭和シェル石油も4月に2・7円アップしたものの、5月は2円、6月は2・3円それぞれ下げた。
 卸価格の改定幅以上に小売り価格が乱高下している背景には、ガソリンスタンド間の競合があるという。「店舗によっては、リッター当たりのマージン(利ざや)に余裕が出てきており、局地的な価格競争を仕掛けているようだ」(外資系特約店の幹部)という。
 7月に入り、道内の石油製品価格はガソリンと軽油ともに0・1円下落するジリ安の展開になっている。激戦区の札幌では140―150円台と看板価格にも開きが出ていて、早急な市況是正を望む販売業者が大勢の中、夏場のドライブ需要を狙った争奪戦の気配も表れている。
 業界関係者は「元売りの引き締めでガソリンのだぶつきは解消しており、今後は火力発電用の需要から重油や軽油のひっ迫感がささやかれている。産業用燃料を中心に、価格は堅調に推移するだろう」とみている。