トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊建設工業新聞
2011/07/19

【鳥取】県土整備部と工事検査課11年度から工事成績でも評価労災防止を目指す/技術提案型でも評価リスクアセスメント

 労働災害防止を強化するため、県は2011年度から建設工事現場のリスクアセスメント(RA)に対する取り組みを工事成績評定に反映させる。RAは現場での危険性や有害性を事前に見積もって、リスクの高い順番に摘み取る手法。県は13日、県庁であった鳥取労働局との連絡会議でRAの導入に向けた検討状況を報告した。
 県土整備部では「これまでRAの取り組みを工事成績で評価できるよう検討してきた」(技術企画課)と説明。これを踏まえ、工事成績評定の考査項目にある「安全対策」の中で反映させる。
 具体的には、安全対策のチェック項目の一つ「建設労働災害及び公衆災害の防止に向けた取り組みが顕著であった」の検査過程でRAへの取り組みを評価する。
 県行政監察監工事検査課によると「この項目は従来から『顕著であった』の判別が難しく、チェックを入れることはほとんどなかった」という。
 今後、県は現場でのRAの取り組み状況を評価することとし、同部技術企画課が近く受注者と各発注機関に対してRA評価の追加を周知するよう文書通知する。
 同部技術企画課は「労災の防止にはRAの導入が有効だが、労働安全衛生マネジメントシステム(0SHMS)などの認証となれば、受注者にとって費用負担が大きい」と話しており、出来るだけ受注者の負担が少ない形でRAを導入する。
 また、11年度内に同部が試行する技術提案型総合評価でも、今後RAを評価メニューに盛り込むことも併せて検討を進める。
 県と鳥取労働局の連絡会議は02年に設けられたが、その後休止。08年と09年に発生した4件の死亡事故を受けて09年度から再開している。メンバーは鳥取労働局の労働基準部長や県土整備部、総務部、農林水産部、県教委の担当者らで構成する。
※リスクアセスメント(RA) 作業の危険性や有害性をあらかじめ特定し、労災の重篤度(被災の程度)と災害が発生する可能性の度合いを組み合わせてリスクを見積もり、リスクの大きさに基づいて対策の優先度を決定。その上でリスクの除去、低減措置を検討し、その結果を記録する一連の手法。05年10月に労働安全衛生法が改正され、RAの実施が努力義務化された(06年4月1日施行)。