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建設経済新聞社
2011/07/27

【京都】街路事業鴨川東岸線(第2工区) 九条跨線橋の耐震補強など

 京都市は、鴨川東岸線(第2工区)について、23年度は九条跨線橋の耐震補強工事などを実施する予定だ。
 鴨川東岸線は鴨川左岸(東岸)の出町柳から十条通までの南北を結ぶ主要幹線道路で、第1工区として南側の十条通から事業着手し第1工区は既に事業完了。現在第2工区を進めている。第2工区は昭和62年度に都市計画決定され、平成9年度の事業採択を受け、同年度から用地買収に着手した。22年度末で用地進捗率は面積ベースで99・8%。
 用地買収において大型物件があることに加え、共有通路等が数多く存在し相続手続きや借家人の移転交渉等に予想以上の時間を要したため事業が遅れているが、京都高速道路(阪神高速道路8号京都線)油小路線・斜久世橋区間が23年3月27日に開通し、新十条通と油小路線が直結するなど周辺で道路網の整備が進む中、第2工区は都心のアクセス道路として交通の円滑化、地域活性化に寄与するものとして事業を進めていく。
 23年度は九条跨線橋南側の残りの高架橋下部工事(橋脚3基)を進めるとともに、九条跨線橋の耐震補強工事を実施する。市は、橋脚躯体工3基などを行う(第2工区)道路改良(その5)工事を発注し、23年5月の入札で城産組(京都市伏見区)が落札した。
 市は、(第2工区)耐震補強(その2)工事として、九条跨線橋の耐震補強を計画。一般競争を採用する予定で今後早期の公告が予想される。なお、九条跨線橋では21年度に(第2工区)耐震補強(その1)工事を山崎組(京都市左京区)で実施している。
 高架橋下部工事は23年度で完了する予定で、24年度以降は上部工事を進めていく予定。
 25日開催の京都市公共事業評価委員会で同事業が再評価されるにあたり、市側が今後の予定等を説明した。
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街路西小路通は埋文調査
河川七瀬川は用買継続

 その他の事業をみると、街路事業西小路通では、23年度に事業区間の北側の埋蔵文化財調査を進める。
 西小路通の丸太町通から南側350mの現道が狭隘なため、両側に歩道2mを設け幅員11m(7m+2m×両側)に整備するもの。用地買収は約99%が完了。23年度も残る用地買収を進める一方、北側1/3の埋蔵文化財調査に着手する。24年度は残る範囲の埋蔵文化財調査を進める意向で、26年度頃の工事着手が見込まれる。歩道舗装は透水性を採用する。
 一般国道162号(栗尾バイパス)では、23年中の開通を目指しトンネル工事を進める。24年度以降はトンネル設備、取付道路工事を予定。26年度の完成を目指す。
 栗尾バイパストンネル新設工事(1号トンネル)は全長2313mの道路トンネル。最大土被りは約175mで、線形は関西電力京北開閉所を迂回するS字曲線となっており、勾配は起点側(南側)から終点側(北側)へ3・3%の下り勾配。南北両側から掘削工事を進めている。工期は21年12月11日〜24年3月15日。施工は鹿島−鉄建−岡野−公成特定建設工事JV。
 同事業ではトンネル工事で発生する湧水を有効利用した小水力発電施設の設置も検討している。
 道路事業城南宮道では、先行取得を含む約99%で用地買収が完了しており、工事着手に向け準備を進める。
 河川事業七瀬川は用地買収を継続する。事業は河道断面の拡大と遊水地の設置を行うもので、西側の950m区間(東高瀬川合流部〜新門丈橋上流)では、上部はせせらぎ河川、下部は治水施設の2層式河川として施工し、20年度に完成。東側に設置する遊水池の概略設計は日本技術開発(社名は当時。現在のエイト日本技術開発(京都支店。京都市中京区))で実施。21年度に遊水地の詳細設計を修成建設コンサルタント京都事務所(京都市上京区)で実施した。22年度に続き、23年度も用地買収を進める。
 住宅地区改良事業三条鴨東地区では、23年度に41戸の除却を進める。23年度の予算は2億3300万円程度を予定する。
 第2期住棟(三条22棟)が23年2月に竣工。今後は同棟の北側の建物買収を進めるとともに、23年度及び24年度に計96戸の除却工事を進める。
 再評価対象事業は次の通り(@事業延長又は面積A事業概要B全体事業費等C採択年度D23年3月時点の進捗率E今後の見込み)。
 【街路事業】
▼街路事業西小路通(京都市右京区花園春日町[旧二条通]〜京都市右京区花園藪ノ下町[丸太町通])=@延長360m、幅員11mA現道が狭隘なため、両側に歩道を整備する。該当区間の整備が完了すれば四条通、三条通、御池通、丸太町通の東西主要幹線を南北に結ぶ補助幹線道路ができ、道路交通の円滑化等を図れるB全体事業費16億4600万円、工事8000万円、その他2億5300万円、用地2531u(13億1300万円)C4年度D72・8%E23年度は用地買収に加え、北側の埋蔵文化財調査を進める。24年度以降は引き続き残る範囲の埋蔵文化財調査を行い、調査完了後に道路工事を実施
▼街路事業T・V・25鴨川東岸線(第2工区)(京都市東山区福稲岸ノ上町〜京都市東山区福稲柿本町)=@延長715m、幅員21・0m〜30・6mA鴨川東岸線は鴨川左岸(東岸)の出町柳から十条通までの南北を結ぶ主要幹線道路で、第1工区は南側部分、第2工区は北側部分で岸ノ上橋までB全体事業費92億3000万円、工事27億8700万円、その他4億5700万円、用地9621u(59億8600万円)C9年度D75・0%E23年度は九条跨線橋南側の残りの高架橋下部工事(橋脚3基)及び九条跨線橋の耐震補強工事を実施する予定。24年度以降高架橋上部工事を進めていく
 【道路事業】
▼道路事業一般国道162号(栗尾バイパス)(京都市右京区京北細野町〜京都市右京区京北周山町)=@延長4300m、幅員9・75mA栗尾峠周辺は山間地のため平面線形が悪く、冬季は事故が多発しており、トンネルでバイパスによる道路整備を行うB100億円、工事88億2200万円他C19年度D18・5%E23年中にトンネル貫通を目指す。24年度以降はトンネル設備、取付道路工事を予定
▼道路事業城南宮道(京都市伏見区七瀬川町〜京都市伏見区竹田浄菩提院町)=@延長280m、幅員12mA近鉄京都線竹田駅東側から国道24号までの現道が狭隘なため両側歩道整備などを行うB全体事業費12億2800万円、工事3億円、その他1億9700万円、用地1474u(7億3100万円)C10年度D47・1%E26年度に工事着手、28年度完成目指す
 【河川事業】
▼河川事業七瀬川(京都市伏見区竹田狩賀町[東高瀬川合流部]〜京都市伏見区深草大亀谷東久宝寺町[遊水地])=@延長1095m(950m+145m)、幅員10・80m〜15・70mA七瀬川は伏見区を東西に流れ、一級河川東高瀬川に合流する都市河川だが、河道断面が小さいため浸水被害が発生しており、河道断面の拡大と遊水地の設置を行うもの。東高瀬川合流部から新門丈橋上流までの950m区間は、上部はせせらぎ河川、下部は治水施設の2層式河川として施工するB全体事業費102億6800万円、工事61億4200万円、その他24億6200万円、用地5049u(16億6400万円)C4年度D91・6%E23年度は用地買収を継続、24年度以降は用地買収、橋梁設計及び工事、河川付替工事、遊水地本体工事
 【住宅地区改良事業】
▼住宅地区改良事業三条鴨東地区(京都市東山区若松町他)=@面積1・26fA不良住宅等の密集などで住環境の整備改善が必要な地区において良好な住環境の整備改善を一体的に行うものB23年度は工事2億3300万円C11年度D73・1%E23年度は41戸の除却、24年度は55戸の除却を予定。第2期住棟(三条22棟)の北側の建物買収を進め、駐車場、児童遊園、緑地等として整備する予定