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北海道建設新聞社
2011/07/28

【北海道】クラウド活用でビジネス創出−道経産局が協議会設立 

 北海道経済産業局は、農林水産、食関連、観光関連の重点3分野にクラウドコンピューティングを活用したサービスを導入し、新たなビジネス創出を図る事業を開始した。26日付で道内経済団体などで組織する、北海道地域クラウドビジネス協議会を設立。8月末には、下部組織となる研究会を3分野ごとに設け、協議会と連携しながら、導入に向けた課題やビジネス展開の可能性について検証する。年度末までに次年度以降の方向性をまとめる。
 クラウドコンピューティングは、ソフトウエアなどのシステムを持たなくても、インターネットを介してサービス提供を受けられる新たなコンピューターの利用形態。
 経産局は5月に発表した北海道ITアジャイル戦略に、道内のIT関連産業の売上高を10年後に6000億円に伸ばし、約2万5000人の雇用を新たに生み出す方針を盛り込んだ。これに基づく取り組みとして、道外に比べて優位性がある3分野へのサービス導入を決めた。
 26日に立ち上げた協議会は、北海道IT推進協会や北海道農業法人協会、北海道食品産業協議会、北海道観光振興機構、北海道経済連合会、北海道商工会議所連合会などで構成。札幌大経営学部の八鍬幸信教授が座長に就いた。
 実質的な会合は11月に予定する次回以降となる。次回は、研究会から出た意見を集約し、どのような事業に導入すれば、ビジネスに結び付くか具体的な意見を交わす。
 8月には、3分野に関わる1500社を対象としたアンケートをし、クラウドサービスの普及状況を把握する。今後の議論を効率良く進めるため、先進的な利用事例を15件程度抽出する。
 経産局情報政策課では「3分野のクラウドコンピューティングの利用率は1%にすぎないが、これを10%にまで伸ばせば、新たなビジネス創出が期待できる」と話している。